いわき市議会 > 2007-06-11 >
06月11日-02号

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  1. いわき市議会 2007-06-11
    06月11日-02号


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    平成19年  6月 定例会           平成19年6月11日(月曜日)議事日程 第2号 平成19年6月11日(月曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する質問         ------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第2号記載事件のとおり〕         ------------------出席議員(40名)     1番  蛭田源治君      2番  菅波 健君     3番  佐藤和美君      4番  森田ミエ子君     5番  松本正美君      6番  鈴木 智君     7番  小野邦弘君      8番  小野 茂君     9番  伊藤浩之君      10番  渡辺博之君     11番  阿部秀文君      12番  佐藤和良君     13番  岩井孝治君      14番  根本 茂君     15番  木田孝司君      16番  酒井光一郎君     17番  大平洋夫君      18番  磯上佐太彦君     19番  塩田美枝子君     20番  安部泰男君     21番  溝口民子君      22番  高橋明子君     23番  古市三久君      24番  樫村 弘君     25番  蛭田 克君      26番  遊佐勝美君     27番  矢吹貢一君      28番  阿部 廣君     29番  諸橋義隆君      30番  若松昭雄君     31番  大間守光君      32番  佐久間 均君     33番  猪狩勝省君      34番  野地登久雄君     35番  鈴木利之君      36番  吉田正登君     37番  藁谷利男君      38番  石井敏郎君     39番  遠藤重政君      40番  永山哲朗君欠席議員(なし)         ------------------説明のため出席した者 市長         櫛田一男君   副市長        村田文雄君 副市長        高津達男君   収入役        飯本丈夫君 教育委員会委員長   緑川幹朗君   教育長        砂子田敦博君 病院事業管理者    鈴木孝雄君   代表監査委員     駒木根登志男君 農業委員会会長    草野弘嗣君   選挙管理委員会委員長 草野一男君 行政経営部長     仲野治郎君   危機管理監      佐々木 仁君 総務部長       猪狩正利君   財政部長       陸川克己君 市民協働部長     鈴木英司君   生活環境部長     荒川喜一君 保健福祉部長     木村 清君   農林水産部長     高木直昭君 商工観光部長     若松勇四郎君  土木部長       佐藤 廣君 都市建設部長     高島信夫君   消防長        上遠野洋一君 教育部長       山田 満君   水道事業管理者職務代理者水道局長                               藍原克美君 病院局長       鈴木正一君   監査委員事務局長   渡邊義典君 農業委員会事務局長  坂本公男君   参事(兼)秘書課長   佐藤靖典君 参事(兼)総務課長   新妻秀次君         ------------------事務局職員出席者 事務局長       上遠野直人君  次長(兼)総務課長   千葉和夫君 参事(兼)議事調査課長 箱崎紀雄君   議事調査課課長補佐  山崎俊克君 議事係長       遠藤義道君   調査係長       久保木隆広君 主査         加藤高明君   主査         金成晃彦君 主査         千葉恭子君   主査         金山慶司君            ----------            午前10時00分 開議 ○議長(藁谷利男君) これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。         ------------------ △日程第1 市政一般に対する質問遊佐勝美君質問 ○議長(藁谷利男君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。26番遊佐勝美君。          〔26番遊佐勝美君第二演壇に登壇〕 ◆26番(遊佐勝美君) (拍手)26番志政会の遊佐勝美であります。会派を代表して、ただいまから通告順に従いまして一般質問を行います。 大きな質問の第1は、財政問題について質問いたします。 先日、平成17年度のいわき市財務諸表が公表されました。そこでまず初めに、平成17年度財務諸表について質問いたします。 1つ目は、平成17年度普通会計バランスシートについてです。 バランスシート上の資産は、将来の世代に引き継ぐ土地や建物・預金などを示す金額で、正味資産は、本市の土地や建物・預金のうち、これまでの世代が負担した金額をあらわし、負債は、現在の私たちはもちろんですが、将来の子供や孫を含めた世代がローンで負担する借金の額をあらわすものであります。これらの数値をもとにした比率を見ることで、いわき市の財政の健全性が高いか低いか理解できるわけであります。 そこで1つ目は、平成17年度普通会計バランスシートはどのような結果になったのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 普通会計の資産の総額は約5,157億円で、市民一人当たりでは約143万7,000円となり、前年度と比較いたしますと、約2,000円の増となっております。また、市民一人当たりの資産額をほかの中核市と比較いたしますと、バランスシート作成済みでございます34市の中で、多い方から9番目と上位に位置しております。 地方債残高につきましては約1,448億円で、市民一人当たりでは約40万3,000円となり、前年度と比較いたしますと約1,000円の増となっております。また、市民一人当たりの地方債残高を他の中核市と比較いたしますと、多い方から16番目と中位に位置しております。 また、社会資本形成の世代間負担比率は73.2%で、前年度と比較いたしますと0.3ポイント増となっております。また、これを他の中核市と比較いたしますと、平均を2.6ポイント上回っておりまして、順位につきましても高い方から15番目と中位に位置しております。 ◆26番(遊佐勝美君) 自治体の資産形成に当たっては、その財源として地方債、いわゆる借金を活用することから、借金である地方債残高も資産の状況に比例して膨れる場合が多いわけでありますが、公表された平成17年度普通会計バランスシートの数字の前年度比を見てみますと、市債の減少に対して有形固定資産の減少が大きいという特徴が見てとれるわけでありますが、この要因について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 有形固定資産の減少につきましては、いわき駅周辺再生拠点整備事業などの事業費が減となったほか、田人地区地域総合施設養護老人ホーム徳風園の建設終了などによりまして、普通建設事業費が減少したため、新たな資産形成が減価償却費を下回ったことによるものと分析しております。 ◆26番(遊佐勝美君) 市全体のバランスシートについてはどのような結果になったのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 市全体のバランスシートにおきましては、地方債残高は約2,667億円であり、普通会計の約1.8倍となっている一方、資産合計は約7,716億円であり、普通会計の約1.5倍となっていることから、負債の占める割合が普通会計の場合と比べまして高くなっております。こちらの主な要因としては、下水道事業や水道事業などの会計が、将来の料金収入で資金回収を行うことを前提といたしまして、資金調達の大部分において地方債を活用していることによるものでございます。 この結果、世代間負担比率につきましては、普通会計の73.2%に対して、66.2%となっておりまして、将来世代の負担がやや高くなっておりますが、中核市平均を1.8ポイント上回っており、他の中核市と比べ地方債への依存度が低いということから、本市の資産形成の整備状況はおおむね適正であると考えてございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 今の答弁にもありましたように、下水道とか水道、そういったものについては受益者負担の原則ということで、後年度の使用料を見込んで投資をしているということでありますので、そういう面では将来世代の負担の数字が、かなり普通会計とは違って重くなってきているという答弁であったと思います。 全体のバランスシートを見てみますと、資産や正味資産が前年度に対して大きく減少しているのに対しまして、市債の額は増加していることを示しておりますが、この要因について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) ただいまの質問でございますけれども、地方債の額が増加している要因につきましては、下水道事業において、平成17年度より世代間負担の公平化を図るという観点から、下水道事業債の元金償還期間と減価償却期間との差により生じる資金不足を補うため、資本費平準化債というものを新たに発行したことがその主な要因と考えてございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 2つ目は、平成17年度行政コスト計算書について質問します。 行政コスト計算書は、道路や建物などのように資産として後々まで使用するもの以外の、生活保護などの扶助費や公共施設の維持・補修費など、その年度で使ってしまう市民に対するサービスをどの程度提供して、そのお金はどのようにして充当したのかなどを示すものであります。 平成17年度の行政コスト計算書について、どのように分析評価しているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 平成17年度の行政コスト計算書におきましては、退職給与引当金の増などによりまして、人にかかる経費が増加したものの、法定外公共物取得事業の終了などによりまして、物にかかる経費が減少したことなどから、行政コスト全体では約1,023億円で、前年度と比較いたしますと約5億2,000万円の減となっております。 また、市民一人当たりの行政コスト合計及び収入合計を他の中核市と比較いたしますと、行政コスト計算書作成済みである29市の中で、いずれも多い方から16番目と中位に位置しており、おおむね適正な水準にあると考えております。 ◆26番(遊佐勝美君) 行政コストを賄うための歳入は、一般財源と特定財源で賄うわけでありますが、三位一体の改革前の平成15年度と比べ、行政コストとの関連を含め、どのような状況になっているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 平成15年度と比較し、特定財源は、ごみ焼却処理手数料の改正に伴う増、児童手当制度の拡充に伴う国庫負担金が増となったことなどにより、約19億9,000万円増加しており、また一般財源は三位一体改革による国の総額抑制などによりまして、地方交付税が約22億4,000万円の大幅な減少となったことが影響し、約4億9,000万円の減となり、収入全体では約15億円の増加となっております。一方、行政コストは、平成15年度と比較して扶助費の増などにより約46億8,000万円増加しております。 すなわち、扶助費などの経常経費が増加する一方で、地方交付税を初めとした一般財源が減少し、収入の増加によって支出の増加を賄うことができず、そういった面で非常に厳しい財政運営を強いられている状況にあるということでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) よろしくお願いしたいと思います。 3つ目は、平成17年度キャッシュフロー計算書についての質問です。 資金収支計算書、いわゆるキャッシュフロー計算書は、年度当初と年度末の資金の増減を一表に示し、行政・投資・財務の活動別に資金の源泉及びその使途を明確にすることができるものであります。 民間企業におきましては事業活動、本市の場合でいえばいわゆる行政活動に当たるものですが、この事業活動の範囲の中で投資活動をしていく。これは、過度な借金を抱えない方法で行っているのでありますが、行政においてもこの考え方は通ずるところだろうと思うところであります。 そこでお聞きしますが、平成17年度キャッシュフロー計算書についてどのように分析評価しているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 平成17年度のキャッシュフロー計算書におきましては、キャッシュフロー全体では約8億円の赤字となっており、減債基金などによりまして補てんしておりますが、この結果、一年間のキャッシュフローの赤字を補う財政調整基金等を含む現金及び現金同等物の年度末残高を、中核市37市と比較しますと、総額で26位、市民一人当たりで19位と中位に位置し、中核市平均の水準を維持していることからおおむね適正であると考えてございます。 ◆26番(遊佐勝美君) キャッシュフロー、若干厳しい状況でありますけれども、他市の平均比較ではまあまあいいところいっているということでありますので、了解したいと思います。 国の進める三位一体の改革により、一般財源が大幅な減少を来している状況からかんがみまして、キャッシュフローが今後赤字で推移することが想定されるものと考えるところですが、この点についてはどのように見ているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 今後のキャッシュフローの見通しにつきましては、国の三位一体改革に伴いまして地方交付税が大幅に減少していることなどから、今後も赤字が続くと予想され、財政調整基金などの取り崩しにより補てんし対応せざるを得ないと考えております。したがって、これまで以上に行財政改革を積極的に推進し、歳入規模に見合った歳出構造への転換を図っていく必要があるものと考えてございます。
    ◆26番(遊佐勝美君) 2点目は、平成18年度決算見込みについての質問です。 市長の行政報告の中でも触れておりましたが、平成18年度決算について、現状ではどのように見通しているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 平成18年度の決算見込みにつきましては、現在、計数整理中であり、的確に見込むことは困難ではございますが、一般会計につきましては、歳入において、現計予算との比較で固定資産税などの増により、市税全体では増収が見込まれるものの、一部事業の繰り越しにより国庫支出金、市債などが減となることから、歳入全体では現計予算を下回る見込みであります。 一方、歳出においては、事業の繰り越しや工事請負費の不用額等により普通建設事業費の減が見込まれるほか、各種扶助費の不用額が見込まれ、前年度と同様に黒字決算となる見込みであります。 また、特別会計につきましては、すべての会計において収支の均衡が図られる見通しとなっております。 さらに、企業会計につきましては、水道事業は黒字決算となる見通しでありますが、病院事業会計につきましては、医業収益の伸び悩みなどから、収支不足となる見込みでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 2つ目は、平成18年度の行財政改革行動計画及び中期財政計画の取り組みについてです。 平成18年度からは、持続可能な財政運営を可能にするために、行財政改革の推進等による収支改善効果や基金を活用する財政の運営管理を行う中期財政計画を立てました。同時に、これを確実なものにするために第5次行財政改革行動計画も策定され、取り組みが進められてきているものと理解しておりますことからお聞きいたしますが、第5次行財政改革行動計画の平成18年度の取り組みの効果額はどのようになっているのか伺います。 ◎行政経営部長(仲野治郎君) 平成18年度における行財政改革の効果額につきましては、定員適正化の推進や給与制度の見直し、敬老祝金支給事業の見直し、さらには、遊休資産の処分の推進などの改革・改善項目に積極的に取り組んだ結果、単年度ベースで約20億8,000万円となっております。 また、第5次行財政改革行動計画におきましては、5年間の累計で150億円の改革効果額を目標の指標として掲げておりますが、平成18年度の実績は、計画期間である平成22年度までその効果が継続することから、累計ベースで算出いたしますと約77億3,400万円となります。 ◆26番(遊佐勝美君) 予定どおり進んでいるととらえさせていただきたいと思います。行革の行動計画は、3つの目標があったと思うんです。いわゆる効果額の5年で150億円、それから人員の削減430人、10%、それと公債費の残高が平成17年度の金額以下という状況になっているものと思いますので、それらの運営管理を今後もよろしくお願い申し上げたいと思います。 本項最後の質問です。地方公共団体財政健全化法案についてです。 北海道夕張市が財政破綻を招き、財政再建団体となったことは御承知のとおりであります。三位一体の改革の進行により、地方自治体は厳しい財政運営状況に直面しており、財政破綻の危機に直面している自治体もあるようで、各自治体においては財政健全化の取り組みが求められているところであります。 現行法の地方財政再建促進特別措置法には財政破綻の早期是正を促す機能がなく、財政悪化が深刻化するまで対処できない内容でありました。このことから現在、財政破綻を防ぐために、財政悪化を早い段階で是正する地方公共団体財政健全化法案の検討が行われておりますが、市としてはどのような点について注目をしているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 地方公共団体の財政の健全化に関する法律案につきましては、地方公共団体の財政状況を実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率、将来負担比率の4つの指標で評価することを目的といたしまして、現在、国会で審議されているものでございます。 これらの指標は、公営企業会計や第三セクターなどを含めた市全体を対象範囲とするものであり、また地方公共団体の財政状況に応じまして、財政再生の段階を、財政健全化団体財政再生団体の2段階に分類することにより、財政の早期健全化を図ろうというものになっております。 市といたしましては、このような財政指標に基づきまして市全体の財政状況を明らかにすることは、市民の皆様に説明責任を果たす上で重要であると考えており、今後とも国の動向につきまして注視してまいりたいと考えてございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 的確な情報を把握のもとに適切な対応をお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。 2点目は、国民健康保険事業についてです。 一方の今の国民年金、いわゆる国民皆年金制度が、いわゆる納付の確認問題で大変揺れに揺れているということで、この信頼が揺らいでいるところであります。もう一方の国民皆保険事業の一つでありますこの国民健康保険事業について質問させていただきます。 国民健康保険は、病気やけがに備えてお金を出し合い、みんなで助け合おうという制度であり、職場の健康保険に加入している人と生活保護を受けている人以外は、自営業者、農業者、無職の人などすべての人が国民健康保険に加入することになっています。国民健康保険制度は、保険加入者が納める国民健康保険税と国からの負担金等によって運営されておりますが、被保険者に占める高齢者の割合が年々増加傾向にあり、医療費が膨らみ続ける一方、税収の伸びが期待できず、国民健康保険事業の運営は大変厳しい状況にあるものと理解しております。厳しい状況ながらも、事業運営の安定化に努力されております関係者の皆様に敬意を表しながら順次質問いたします。 まず1点目は、平成18年度いわき市国民健康保険事業特別会計決算見通しについてです。 現状では、平成18年度いわき市国民健康保険事業特別会計決算見通しについてどのように判断しているのか伺います。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 平成18年度の国民健康保険事業特別会計の決算見込みにつきましては、まず、医療分におきまして、保険給付費が当初の見込みを下回ったことなどから、一般被保険者分で約8億3,800万円、退職被保険者分で約3億9,500万円がそれぞれ繰り越しとなる見込みでございます。一方、介護納付金分におきましては、国民健康保険税が現計予算額を上回って確保できる見通しであることなどにより、約8,700万円の繰り越しが見込まれ、合わせて約13億2,000万円の繰り越しとなる見込みでございます。 なお、平成17年度からの繰越金約8億6,300万円を差し引きました単年度収支では、約4億5,700万円の黒字となる見通しでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 単年度収支でも黒字を確保できるようでありまして、大変いいと考えております。 国民健康保険事業における大きな課題として挙げられるのが、保険税の収納率であろうと思います。国民健康保険税の収納率に応じて、翌年度に交付される普通調整交付金が減額調整されるという仕組みになっているからであります。そこで伺いますが、平成18年度の収納率はどの程度になっているのかお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 収納率につきましては、現在、計数整理中ではございますが、現年度分の見込みで申し上げますと約88.8%で、その内訳といたしまして、一般被保険者分については約85.9%、退職被保険者分については約96.8%となるものと見込んでおります。 ◆26番(遊佐勝美君) 昨年6月議会におきまして、私の質問に対し、平成17年度の収納率は86.6%と見込まれるという答弁がありました。これは一般被保険者の方でありますけれども、今の答弁では一般が85.9%、昨年よりも下がった答弁になっております。そのことから昨年は、平成18年度の普通調整交付金においては減額率で7%、約1億8,000万円の減額となる見込みだということの答弁があったわけでありますが、本年度のこの85.9%という徴収率見込みで、平成19年度の普通調整交付金はどのような影響が想定されるのか伺います。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 普通調整交付金は、医療費や所得の差異によって生じる市町村間の財政力の不均衡を調整するために国が交付する補助金でございます。その算定に当たりましては、国民健康保険税収納率が一定率を下回る場合には、収納率に応じ交付額の一部が減額されることになっており、減額率は一般被保険者の人数と国民健康保険税の現年課税分の収納率により定められているところでございます。 平成18年度の収納率が約85.9%と見込まれますことから、平成19年度の普通調整交付金につきましては、減額率で7%、額にいたしまして約1億8,500万円の減額になるものと見込んでおります。 ◆26番(遊佐勝美君) 平成18年度末における国保税の累積滞納額はどの程度になるのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 収納率の決算見込みは先ほど申し上げましたとおり、依然として非常に厳しい状況にございまして、平成18年度末における累積の滞納額は約48億円程度となる見込みでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 国保の収納率の悪化は保険料を納めているほかの加入者にはね返っている状況にあると言われており、公的保険制度における支え手の空洞化が深刻になってきていると言われており、国民皆保険制度が揺らいでいると言われております。 財務諸表の全体のバランスシートを見てみますと、平成17年度末の市全体の未収金総額は154億5,300万円。そのうち国保税事業が、今お話あった金額、いわゆる平成17年度末ですと46億6,200万円、病院事業が30億1,600万円、普通会計で71億4,700万円と、こういう多額の未収金になっているわけでありまして、この未収金は、いわき市の一般会計や特別会計事業の財政運営に大きくのしかかっている状況にあり、納税に対する市民の一層の理解と収納率向上の対策が急がれるところであります。 そこで伺いますが、コンビニ等での収納を可能にするなど新たな方法も含めて、今後の収納率向上の取り組みについてどのように考えているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 今後の収納率向上のためには、自主納付の推進によります納期内納付率の向上と累積滞納の解消が必要であると考えております。 自主納付の推進のためには、現在実施しております納税勧奨のための各種徴収対策を、より実効性のあるものとするために適切に見直しを行うとともに、多様化いたします市民ニーズにこたえ、利便性を向上させるためのコンビニエンスストアでの納税などを含めた新たな方策について、引き続き調査・研究を進めてまいりたいと考えております。 さらには、累積滞納を解消し、納税におけます公平性の確保のための取り組みといたしましては、従来も行っておりました、不動産、電話加入権などの差し押さえ、公売や、預金・給与などの債権差し押さえに加えまして、インターネットオークションシステムを利用した公売に向けまして、美術品や自動車などの動産の差し押さえを行っていくなど、毅然とした滞納処分を行うことにより、自主納付の推進とあわせて収納率の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆26番(遊佐勝美君) 新たな方式も検討を進めていくということでありますのでお願いしたいと思いますが、平成17年3月に厚生労働省が市町村に対しまして収納対策緊急プラン策定を通知したわけでありまして、それに基づいて本市においても策定をしたものと思います。内容については、徴収嘱託員の増員、あるいは滞納コールセンターの設置検討、郵便局の口座振替実施、滞納処分を実施することなど、こういうことを含めた対策プランをつくりなさいという内容でありまして、本市では既にもう実施している内容があるわけでありますが、さらにもっと納税しやすい対応を進めていくように御要望申し上げておきたいと思います。 2点目の質問です。平成19年度のいわき市国民健康保険事業特別会計の収支予算はどのように見通しているのか伺います。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 平成19年度の収支見通しにつきましては、過去の実績等を勘案した保険給付費の精査や老人保健拠出金、介護保険納付金の確定などを踏まえまして、歳出の積算を行うとともに、一方歳出に連動する国・県支出金の交付見込み額や平成18年度決算見込みにおける繰越金などを勘案し、歳入の積算を行った結果、現行税率により収支均衡を図ることが可能との見通しとなったものでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 5月18日の国保運営協議会からの答申を尊重する姿勢のもとに、平成19年度の国保税については現行税率で据え置くという答弁であります。厳しい経済環境とあわせ、重税感が増している最近の状況を考えるとともに、事業運営に対するこれまでの当局の努力を評価し、今の内容については理解するところであります。 3点目の質問は、地方税法施行令の一部を改正する政令が今年4月に施行され、国民健康保険税の基礎課税額の賦課限度額を53万円から56万円に引き上げる改正がなされたことから、本定例会に提案されているいわき市国民健康保険税条例の一部改正についてです。 国民健康保険税は、基礎課税額と介護納付金課税額の合計により算出しており、現在、基礎課税額は53万円、介護納付金課税額は9万円がそれぞれの賦課限度額とされております。今回、この基礎課税額の賦課限度額が、53万円から56万円に引き上げることになりました。このことは、これまでより多く納めなければならない人が出てくるということであるものと思いますが、今回の限度額引き上げ改正により、国保会計に与える影響の具体的な数字はどのようになるのかお聞かせください。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 今回の基礎課税額の賦課限度額引き上げによりまして、3万円の課税増となる世帯が約2,140世帯、3万円までの間で課税増となる世帯が約270世帯、合わせて約2,410世帯が影響を受けることとなり、全体で約6,800万円が課税増になるものと見込んでおります。 ◆26番(遊佐勝美君) 本市の国民健康保険事業につきましては、我が志政会が6月5日に市長に対し、給付と負担の適正化や、国の医療制度改革の動向を見きわめながら安定的運営に努めるよう要望させていただいたところであります。 そこで、今後の国保運営に大きな影響をもたらすものでありますことから、4点目は国民健康保険事業運営に影響を与える医療制度改革の動向についてです。後期高齢者医療制度の平成20年4月スタートに向けた今後の動きについて伺います。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 後期高齢者医療制度につきましては、県内すべての市町村が加入いたします福島県後期高齢者医療広域連合が本年2月に設立され、議会の設置や事務局の体制が整い、平成20年度の制度施行に向けた準備作業が進められているところでございます。 現在、広域連合におきましては、電算処理システムの構築を進めているところでございまして、11月臨時議会では保険料率が決定され、平成20年3月には各被保険者に対し被保険者証が送付される予定となっており、あわせて県内の全世帯に対する制度の周知を図っていくこととされております。 本市といたしましては、市町村の分担事務となる保険料徴収事務の体制整備を図るとともに、広報につきましても市の広報誌やホームページ、広報チラシの配布等、さまざまな広報媒体を活用いたしまして市民に対する周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆26番(遊佐勝美君) 本項最後に、国民健康保険事業運営の今後の取り組みについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 今後の国民健康保険事業の運営に当たりましては、保険給付費を初めとする歳出の抑制と国民健康保険税などの歳入の確保が、安定的な事業運営を図る上で不可欠であると考えております。このことから、レセプト点検等による診療報酬支払いの適正化や各種保健事業の実施による疾病予防などにより、市民の皆様の健康増進に意を用い、医療費の抑制を図っていくことが重要であると考えております。 また、国民健康保険が、相互扶助共済の趣旨に基づき被保険者の応分の負担を前提に運営されている保険制度であることや、本市の事業運営状況について被保険者の理解を得ながら、給付と負担の公平性の観点からさまざまな収納対策に取り組み、税収の確保を図っていく考えでございます。 さらに、平成20年度以降、実施が義務づけられました特定健診等の効果的な実施に努めるとともに、平成20年度の後期高齢者医療制度の実施を初めとした医療制度改革の影響を的確に把握しながら、適時適切な対応を図り、安定的な事業運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆26番(遊佐勝美君) 将来にわたり持続可能な制度として運営できるよう執行部の御努力をお願いして、次の質問に移りたいと思います。 大きな質問の第3は、麻疹、いわゆるはしかの流行と予防についての質問です。 本問題については、予防接種実施などに関して3月の定例会において私が質問をして当局の考えをお聞きしましたが、その後流行が拡大していますことから再度質問いたします。 最近の新聞・テレビ等の報道によりますと、連日のようにはしかの流行が報じられております。特に、東京を中心とした関東圏で流行が拡大をしておりますが、最近では隣の宮城県や福島県内においても休校に追い込まれている大学等が発生している状況にあり、さらに拡大すれば本市への影響も危惧されるところであります。世界の中でも先進国と言われている国の多くは、はしかは根絶に近い状態にあるにもかかわらず、我が国では今回のような集団発生が続き、はしか輸出国と言われていることはまことに残念なことであります。これらの状況は他人ごとではなく、本市においても流行するのではないか、流行したらどのように対処したらいいのか、予防するにはどうしたらいいのか等々、だれもが心配しているのではないかと考えるものであります。 そこで1点目は、はしか発生の現状について伺います。 はしかは春から初夏にかけて流行し、主に乳幼児が罹患する感染症とされていましたが、今回は学生など10代、20代の若い世代に目立っておるのが特徴であります。そこで、今シーズンのはしかの流行状況はどのようになっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 国の感染症発生動向調査によりますと、本年1月1日から5月20日までの、全国の小児科定点医療機関3,000カ所からの15歳未満の報告数は907件、基幹定点医療機関450カ所からの15歳以上の報告数は286件となっております。 県においては、本年1月1日から6月3日までの、小児科定点医療機関48カ所からの15歳未満の報告数は5件、基幹定点医療機関7カ所からの15歳以上の報告数は6件となっております。 また、本市においては、本年1月1日から6月3日までの、小児科定点医療機関8カ所からの15歳未満の報告数は0件、基幹定点医療機関1カ所からの15歳以上の報告数は2件で、いずれも市外の方となっております。 ◆26番(遊佐勝美君) 2点目は、はしかの症状についてです。 昔は祖父母と同居という家庭が多く、人生経験から学んだ知識が受け継がれていたことなどから、子供や孫がはしかにかかったかどうかの判断が一定程度できていたものと考えますが、現在は、核家族化の進行でこのようなことは望めない状況にあります。 はしかという感染症はどのようなものなのでしょうか。はしかは一度罹患すると免疫がつき、二度と罹患しないものと記憶しておりますが、復習の意味を含めて、はしかとはどのような病気なのか、その内容についてお聞かせください。 ◎保健福祉部長(木村清君) はしかは、ウイルスによる感染病で、約10日間の潜伏期間を経て、発熱・せき・鼻水など風邪に似た症状の後、高熱が出て赤い発疹が全身に広がる病気であります。空気や飛沫で感染し、非常に感染力が強いことが特徴であります。脳炎や肺炎などを合併し重症化することもありますが、一度罹患すると終生免疫となり、二度と罹患しない感染症となっております。 ◆26番(遊佐勝美君) 罹患時の対応について伺います。 はしかにかかってしまった場合、患者及び家族がどのようにしたらいいのかその対応についてお聞かせください。 ◎保健福祉部長(木村清君) 現在は、はしかに罹患した場合、その治療法は症状を緩和する対症療法のみでありますことから、早期に受診し、医師の指示のもとに療養することが大切であると言われております。また、その家族の方も不必要な外出を避け、体調不良のときは早目に受診することが最良であると言われております。 ◆26番(遊佐勝美君) 自治体の中には、学校等におけるはしか発生時の対応マニュアルを作成して、配布しているところがあると仄聞するところであります。本市においてもマニュアルを作成しているのか伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) はしかの対応マニュアルにつきましては、国立感染症研究所感染症情報センターが監修しております、麻疹患者発生時の対応マニュアルがあり、これまでもこのマニュアルを活用しているところでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 4点目は、はしかの予防対策について伺います。先ほど、はしか流行の原因として免疫のついていない人と予防接種を受けていない人がいることも挙げておりますが、はしかの感染を予防するためにはどのようにしたらいいのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(木村清君) はしかの感染を予防するためには予防接種が有効であると言われており、予防接種を一度も受けていない場合には早急に予防接種を受けることが必要であります。また、予防接種を受けた方であっても、抗体検査で免疫が低下している場合には再度の接種が必要となります。 ◆26番(遊佐勝美君) 今の答弁では予防接種を受けるということに尽きるようでありますが、最近の報道では抗体検査の試薬やワクチンの不足が言われており、一抹の不安もあるところですが、検査試薬やワクチンの不足についてはどのような状況になっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 今月5日現在の最新の国・県からの情報によりますと、検査試薬は6月末までには60万人分が供給される見通しであります。麻疹風疹混合ワクチンについては6月中に約50万本を、麻疹ワクチンにつきましては9月ごろに追加供給される予定となっております。 ◆26番(遊佐勝美君) 安心していいということで理解をさせていただきます。 最後に、市民が感染しないよう周知すべきと考えるところでありますが、予防に当たり市はどのような対応を行っているのか伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 本市では、乳幼児健診、母子健康相談等において、保護者に対し適切な時期での予防接種を勧めているほか、市民の皆様に対しましては、ホームページ等によりはしかの理解と予防接種などの周知徹底を図っているところでございます。 また、保育所、幼稚園、小・中学校、高校などに対しても、予防接種を勧奨する通知とあわせて、麻疹患者発生時の対応マニュアルを送付したところでございます。なお、市民の電話相談には随時対応しているところでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 一層の対策をお願いして、次の質問に移らさせていただきます。 大きな質問の第4は、中心市街地のにぎわいづくりについての質問です。 中心市街地は、商業・業務・居住などの都市機能が集積し、長い歴史の中で文化・伝統をはぐくみ、各種の機能を培ってきたまちの顔という地域であり、人が住み、育ち、学び、働き、交流する、生活及び経済活動の基盤として地域の発展に重要な役割を担っております。 しかし、近年は中心市街地の空洞化が進んでいることから、その活性化を図るために中心市街地活性化法などいわゆるまちづくり三法に基づき、市町村が市街地の整備・改善と商業等の活性化を柱とする総合的な対策を推進する中心市街地活性化の基本方針を作成し、取り組みが進められてきているところであります。 そこで1点目は、中心市街地まちづくり基本計画について伺います。 本市の中心市街地まちづくり基本計画は、おおむね徒歩15分圏域に入る約340ヘクタールをエリアとして平成11年度に策定されました。この中心市街地まちづくり基本計画は、平成12年から平成22年までのおおむね10年間を期間としており、策定から7年が経過しておりますことから、経済・社会の変化に伴う定住・交流両面の人口の動きにかなりの変化が見られるのではないかと思います。 そこで伺いますが、基本計画エリアにおける人の動き等は、計画策定時と比較してどのように変化しているのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 中心市街地の活性化につきましては、平成11年7月策定の市中心市街地まちづくり基本計画に基づき、これまで、平一町目やいわき駅前の市街地再開発事業による都市基盤の整備や、特定優良賃貸住宅に対する助成による街なか居住の促進、さらには、イベントの実施等による商店街の活性化などに取り組んでまいりました。 このような中、市全体の人口は減少を続けておりますが、中心市街地における人口は、平成11年の1万8,067人を底としてわずかながら増加し、平成18年では1万8,383人となっております。一方で、商業統計によりますと、平地区における商店数は、基本計画策定前の平成9年には1,651件、平成14年では1,497件と約150件、約9%減少しております。 これらのことから、計画策定時と比べ、中心市街地における商業は依然として厳しい状況にあるものの、生活環境の向上等が図られたことにより、街なかの居住人口は増加したものと認識しております。 ◆26番(遊佐勝美君) 中心市街地まちづくり基本計画の進捗状況についてですが、計画に対してハード事業の進捗状況はどのようになっているのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 市中心市街地まちづくり基本計画には29のハード事業が位置づけられており、これまで平一町目やいわき駅前の市街地再開発事業、新川緑地公園等の整備、商店街の街路灯設置など、22の主要な事業について実施し、総合的な生活基盤の整備に努めてきたところであります。 ◆26番(遊佐勝美君) 一方、計画に対してソフト事業の進捗状況はどのようになっているのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 基本計画には26のソフト事業が位置づけられており、いわきTMOによる空き店舗を活用したチャレンジショップの運営、中心市街地のまちづくりや情報発信の拠点としてのいわき平サロンの運営、商店街の活性化に向けた助言を行うための中小企業診断士等の専門家の派遣など、15の事業を実施してきたところであります。 ◆26番(遊佐勝美君) 平成16年9月に総務省が行った中心市街地の活性化に関する行政評価・監視の結果、中心市街地の活性化が図られていると認められる市や町は少ないとして、1つ、基本計画の的確な作成、2つ、事業の着実な実施、3つ、基本計画の見直し、4つ、基本計画の的確な評価などについて具体的内容を明示することを要旨とする改善事項の勧告を行っております。 平成18年7月までに、中心市街地活性化基本計画を提出した市町村は606市あるとのことであります。本市もその中の一つであり、本市計画の策定時以降の状況変化と事業の進捗状況は、答弁のような実態であろうと理解するところであります。 このような状況を考えるとともに、昨年、いわゆるまちづくり三法が成立しましたことから、現行基本計画の変更などはどのように対応する考えなのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 昨年のいわゆるまちづくり三法の改正に伴い、市町村が策定する中心市街地活性化計画については、従来の国への届け出制度にかわって新たに認定制度が導入され、選択と集中による重点的な支援が行われることとなったところであります。 しかしながら、本市の場合、本市特有の複数の市街地を有する都市構造の中で、地域の特色を生かしたまちづくりを進めてきたこれまでの取り組みとの整合性を図る必要があること、また、都市計画法上の用途地域の一部について市独自の規制を行う必要があることなどの課題もございますことから、現在他市の状況等を踏まえ、庁内の関係部や関係団体と協議しながら検討しているところであり、今後研究してまいりたいと考えております。 ◆26番(遊佐勝美君) 2点目は、いわき駅前再開発ビル、ラトブについて伺います。 平成17年8月の着工以来、順調に建築工事が進められ、平一町目再開発ビル、ティーワンビルに続く、本市2番目の再開発ビルとなるラトブは次第にその姿をあらわし始めております。 ラトブは、商業、業務、公共施設、駐車場など多様な用途を有する複合ビルであり、さまざまな目的を持った市民の皆様が集い交流する中心市街地の中核施設として、にぎわいづくりに大きく寄与するものと考えておりますが、やはり、市民の皆様が一番関心を持っているのは、商業施設のテナントの誘致状況ではないでしょうか。 そこで質問ですが、商業テナントの誘致状況はどのようになっているのか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 商業テナントにつきましては、再開発ビル、ラトブの商業運営を担ういわき駅前再開発株式会社が、地元テナントはもとより、首都圏においても積極的な誘致活動を行っているところであります。 5月末時点において、募集している61区画の約85%に当たる52区画の出店が計画されており、現在出店予定者と入居条件等の契約内容について最終的な確認作業を行っていると聞いております。それらテナントの各階別の状況につきましては、1階には日常の買い回り品である生鮮三品、お酒・お菓子などの食品テナント、2階には上質で都会的センスあふれる衣料テナントやバッグ・アクセサリーなどの身の回り品テナント、3階には多様化するライフスタイルに対応する生活雑貨テナント、さらにサービス関連テナントに加え、カフェ・レストランなどの飲食テナントを配置することとしております。 ◆26番(遊佐勝美君) 次は、ラトブのオープンに向けての取り組みについてです。 去る6月1日に開催された再開発組合通常総会において、10月25日のビルオープンが正式に決定されました。市民の皆様はもとより、街じゅうの商業者の方々もラトブオープンをまちの再生、にぎわいの創出など、中心市街地活性化の起爆剤として大きな期待を寄せているところであります。 そこで、ラトブオープンに向け、今後どのような取り組みをしていくのか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 再開発組合では、いわき駅前再開発株式会社と一体となって、ラトブオープンを周知し、市民の皆様の期待感や高揚感の醸成を図ることとしており、現在、JR常磐線の近隣主要駅及び市内の公共施設や集客施設などに、オープン日を告知するポスターを掲示しているところであります。 今後といたしましては、市内で実施されるさまざまなイベントなどへの協賛・出展などを通じたPR活動、ホームページ・メールマガジンを活用した情報の発信、さらには、テレビ・ラジオ等の各種メディアによる集中的なCM放送などを展開してまいりたいとしております。 ◆26番(遊佐勝美君) 3点目は、にぎわいづくりについて伺います。 いわき駅前再開発事業を契機として、昨年設立されましたいわき駅前賑わい創出協議会の活動を通じ、個店の魅力や来街者の利便性を高めるなど、街の魅力づくりに商業者みずからが取り組もうというコンパクトシティ推進プロジェクトチームが設立されたと仄聞しております。コンパクトシティに着目した中心市街地活性化への取り組みは、県内でも初めての試みであり、その活動が注目されると同時に市民の期待も大きいのではないかと思うところであります。 そこで1つは、コンパクトシティ推進プロジェクトチームについての質問ですが、まず、コンパクトシティ推進プロジェクトチームの概要について伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) コンパクトシティ推進プロジェクトチームは、中心市街地の目指すべき方向性やコンセプトを構築し、商業者が主体となって中心市街地の活性化に取り組むことを目的として、いわき商工会議所に事務局を置き、平の街なかの商業者を中心に、県・市がアドバイザーとして加わり、本年4月にいわき駅前賑わい創出協議会内に発足したものでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) コンパクトシティ推進プロジェクトチームの取り組み状況についてもお聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) プロジェクトチームでは4つの部会を設け、一店逸品運動推進部会では固有の商品開発やサービスの提供など個店の魅力づくりについて、街なか駐車場検討部会では公共施設と既存駐車場の一体的な活用方法等について、街なか空き地・空き店舗有効利用推進部会では中心市街地の遊休地・空き店舗の有効利用策について、街なか情報発信推進部会では商店街や公共施設等が一体となった情報発信を行うための仕組みづくりについてなど、中心市街地が抱える課題解決に向け、さまざまな角度から調査・検討を進めているところでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) 2つ目は、歩いて暮らせるまちづくり社会実験についての質問です。 昨年、郡山市で実施された社会実験はどのような内容であったのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 福島県では、昨年3月制定の福島県商業まちづくりの推進に関する条例の趣旨である、歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりの実現に向け、昨年9月から11月にかけて、郡山市において交通システムやにぎわい創出等に係る社会実験を実施いたしました。 主な内容といたしましては、交通社会実験として、郊外の駐車場と中心市街地とを結ぶ無料直行バスやまちなか巡回バスの運行、にぎわい社会実験として、ファッションショーや演奏会の開催、まちなか青空市場の実施、さらには、ベビーカーやウオーキングステッキの貸し出しなどを行ったものでございます。 ◆26番(遊佐勝美君) その社会実験の結果はどのように評価されているのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 郡山市における社会実験の結果につきましては、実験期間中、歩行者通行量が大幅にふえるとともに、まちなか巡回バスなども多くの利用があるなど、実験の取り組みが来街者に受け入れられたとの評価がされております。 一方で、来街者の増加が商店等の売り上げに結びつかなかったことなど、今後、継続的な取り組みを進めていくためには、関係者の協力体制を一層深め、各主体が能動的にかかわることが重要であるとの報告もされているところであります。 ◆26番(遊佐勝美君) 最後に、今年度本市が実施する社会実験はどのようなものか、その概要について伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 今回、本市が実施いたします社会実験は、今年10月のいわき駅前再開発ビルのオープンを契機として、中心市街地における持続可能なにぎわい創出と回遊性の向上を目的として実施するものであります。 主な内容といたしましては、まちなか巡回バスの運行やレンタサイクルの実施などの街なか交通実験、市民を中心に全国からの演奏家が集うまちなかコンサート、いわき駅前再開発ビルやその周辺に会場を移して行われるいわき産業祭、いわきの食文化の紹介等を行ういわきまちなか屋台実験などの街なかにぎわい実験、さらには、街なかガイドの配置や託児スペースの設置など、まちなかおもてなしを実施しようとするものであります。 実施に当たっては、知識経験者、交通事業者、商工関係団体、まちづくり団体、学生、行政機関等から成る実行委員会及び作業部会を組織し、事業内容等の検討を進めているところであります。今回の取り組みにより、今後の中心市街地活性化に必要となる知識・経験・ネットワークの蓄積を図り、民間主体によるまちづくりの推進につなげてまいりたいと考えております。 ◆26番(遊佐勝美君) 時間がなくなりました。今お話しいただいたようなもろもろの計画が成功のもとに、中心市街地ににぎわいが戻りますよう願いながら、私の一般質問を終わりたいと思います。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。            午前11時00分 休憩            ----------            午前11時10分 開議 △蛭田克君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。25番蛭田克君。          〔25番蛭田 克君第二演壇に登壇〕 ◆25番(蛭田克君) (拍手)25番志政会の蛭田克であります。通告順に従い、一般質問を行います。 質問の1は、市立病院事業についてであります。 市は、昨年2月に決定した市立病院改革に関する基本方針に基づき、本年2月に今後4年間を計画期間としたいわき市病院事業中期経営計画を行動計画として策定いたしました。計画によりますと、今後の取り組みとして安全・安心の医療提供、地方公営企業法の全部適用への移行による安定した経営基盤の確立、1市1病院1施設へ向けた取り組み、医師確保、人材育成、目標値設定、地域医療連携体制の構築など多岐に及んでその計画内容が示されております。 志政会といたしましても、本市の市立病院事業の改革につきましては、期待と関心を持って対応を考えており、先月、会派全員で福島県立医科大学及び総合南東北病院において視察・研修を行い、院長先生初め関係者の皆様の御指導をいただきながら研さんを深めてきたところであります。 先般、医療の質向上への革新という本を読みましたところ、以下の文章が大変印象に残りました。それは、医療の社会的役割は時代や制度によって異なる。理想的で絶対的な医療というものはあり得ない。質とは絶対的なものではなく、相対的なものであるという認識が重要である。時代や地域や財政の限られた中で、病院がどのような医療を提供するかが重要である。これを経営というということであります。 病院改革への市民の皆様の期待は大変大きいものがございます。今回の改革の中で事業管理者になられました鈴木孝雄氏及び局長になられました鈴木正一氏、両鈴木氏におきましては、例えれば、荒海に乗り出す船長と航海士の心境ではないかと考えます。まことに大変で責任の重い仕事ではございますが、時代や地域や財政の限られた中で、最良の病院経営、最良の医療を目指して御努力いただくことを願って、以下質問いたします。 質問の1は、鈴木事業管理者の市立病院経営に関する基本的なお考えについてお伺いいたします。 ◎病院事業管理者(鈴木孝雄君) 御案内のように、昨今の医師不足の深刻化や診療報酬の切り下げなどにより、経営状況が悪化している市立病院事業について、地方公営企業法の全部適用という新たな経営形態において、私に課せられた責務は、医療面はもとより、財務、人事、組織管理などの経営面のトータルマネジメントにより、市立病院の経営改革を推進していくことにあるものと認識いたしておるところでございます。 市立病院の経営に当たりましては、これまでに決定されました市立病院改革に係る基本方針及び市病院事業中期経営計画の適切な進行管理を行うことを基本としながら、地方公営企業法の全部適用の特色を生かし、病院事業管理者の名と責任において、機動性・弾力性を発揮し、環境の変化に即応した効率的な病院経営を行ってまいる考えでございます。 また、病院事業は、医師や看護師を初めとするさまざまな職種の職員のチームワークによる協働作業の上に成り立つものでありますことから、まず、職員全員が情報を共有した上で一人一人が経営感覚を持ち、一丸となって病院改革に取り組む環境の醸成を図っていくことが、改革への第一歩であると認識しているところでございます。 今後は、病院事業管理者である私みずからが職員の先頭に立って、これまでの改革の歩みをさらに推し進め、安全・安心の医療提供と安定した経営基盤の確立に向けて邁進したいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) ある病院関係者の話でございますが、このたびの事業管理者が医者でないというのは、これは大きなプラスであるという考えをお持ちの方も多くいらっしゃるようです。つまり、医学特有のしがらみに縛られないというお考えだそうであります。その意味で御努力をいただきたい、思う存分リーダーシップを発揮していただきたいと期待するところであります。その際に関しましては、多くの関係者が指摘しておりますように職員の意識改革、これも今回取り組みに上げられておりますが、やはりこれが非常に一番大きな課題かと思います。患者のために、市民のためにということを大前提にお考えいただきまして、医療はまさに患者、市民のためにあるという前提に立てば、すべて前向きに進むかと思いますのでどうかよろしくお願いしたいと思います。 質問の2は、市立病院の機能充実についてであります。 計画では、共立病院が高度医療・政策医療・急性期医療、常磐病院が共立病院の補完的役割と精神科等の医療とされておりますが、選択と集中や役割分担、連携等の中で市立病院の機能充実を具体的にどのように展開していくお考えかお伺いいたします。 ◎病院局長(鈴木正一君) 市立病院の果たすべき役割・機能につきましては、ただいま議員がお話しのとおり、選択と集中や病院の役割分担・連携の視点から、市立病院改革に係る基本方針及び市病院事業中期経営計画において位置づけたものであり、現下の医療を取り巻く厳しい環境におきましては、その維持・充実を図るためには医師の確保が何よりも重要であると考えております。 このようなことから、今後も引き続き医師の処遇改善や施設整備の充実など総合的な医師確保対策を講ずるとともに、地域医療機関との役割分担と連携を深めながら、市立病院が求められている機能の充実を図り、市民の皆様への安全・安心の医療提供に支障等が生じないよう努めてまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) それでは質問の3は、市立病院の医師の確保についてであります。 1つには今回の計画で示されました修学資金貸与制度についてであります。この制度に対する現在の応募状況はいかがでしょうか。 ◎病院局長(鈴木正一君) 市立病院医師修学資金の応募状況につきましては、去る5月1日から6月8日までを募集期間といたしまして実施したところでありますが、郵送による今後の未着分も想定されますが、6月8日現在では募集予定人員2名に対し7名の応募となってございます。 ◆25番(蛭田克君) それでは、次にこの制度の今後の見通しですけれども、募集人数は、今後とも現在の数を考えておるのかお伺いいたします。 ◎病院局長(鈴木正一君) 市立病院医師修学資金貸与制度につきましては、本年度創設した制度であり、また、募集人員につきましては、福島県の同制度の募集状況や本市の高等学校卒業者の大学医学部への進学状況などを総合的に勘案し設定したものであります。 今後につきましては、市立病院における医師不足の状況、そしてこの制度への応募の状況、さらには、病院事業の経営状況等も十分に見きわめながら検討して対処してまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 次に、貸与を受けた医師は、卒業後市立病院での勤務を義務づけられておりますが、これは、例えば6年間貸与を受けたらば6年間市立病院で勤務する、3年間なら3年ということでございますが、その勤務義務期間といいましょうか、この期間が終わってしまえば、今度はまた移動が可能であるとなれば、例えば、せっかく市立病院で医療をたくさんやっても6年過ぎたらもうほかに行ってしまうと、新規採用の研修的な意味合いになってしまうんではないかというおそれもございますが、この勤務義務期間につきまして今後考慮することはないのでしょうかお伺いいたします。 ◎病院局長(鈴木正一君) この制度におきましては、市立病院の在職期間が修学資金の貸与期間に達した場合、返還債務の全部を免除することしており、その期間は、福島県を初めとする先行自治体の制度を参考として設定してございます。この制度発足間もない現時点におきましては、この制度を基本的には継続しながらも、これら医師の市立病院へのさらなる定着化を図るため、本制度によるほか、給与・住宅等の処遇改善、研究・研修の充実などを総合的かつ計画的に実施することなどによりまして、医師が使命感と誇りを持って医療提供を行うことができる、働きやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えてございます。 ◆25番(蛭田克君) 次に、貸与に当たり、いわき市出身者を優先するお考えはないのでしょうかお伺いいたします。 ◎病院局長(鈴木正一君) この制度につきましては、制度の利用促進及び医師の確保の重要性などを総合的に勘案し、貸与者の出身地は問わないこととしてございます。このため、貸与者の決定に当たりましては、市立病院における医師確保の観点から、出身地のみではなく、市立病院に対する考え方や学業への意欲などを総合的に勘案して、今後選考を行ってまいりたいと考えてございます。 ◆25番(蛭田克君) この医師不足ということを解消する中で本市出身者であるということと、それから本市においてやがて医療機関として将来も活躍できるという観点に立てば、いわき市出身者を何らかの形で優遇することが必要ではないかということを考えますが、これは要望とさせていただきます。 2つに、今回の計画でも挙げられておりますが、医師の処遇改善についてであります。手当等を含め、医師の給与をどのように改善していくお考えでしょうかお伺いいたします。 ◎病院局長(鈴木正一君) 医師の給与等の改善につきましては、市病院事業中期経営計画に位置づけてございまして、医師確保を図る上で、このことは極めて重要であると認識いたしております。 その具体的な取り組みといたしましては、昨年10月に緊急的・臨時的に医師のインセンティブ効果を高める一つの手だてといたしまして、診療手当の基本的な支給額につきまして、医師免許取得から20年未満までのいわゆる若手医師を対象に月額5万円の増額を行うとともに、勤務実績に応じた出動料として1時間当たり3,000円を支給するなどの改善を行ってきたところであります。今後におきましても、給与面の見直しにつきましては、同計画に基づきまして、適時適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 病院関係者の話によりますと、医者は、医療業務をやることについては使命感を持って一生懸命やるんだと、医者を働かせないのは損だぞというお話を聞きました。適切な手当を当て、ポイント制をやって、医者を医療業務に一生懸命働かせる、その範囲では医者は何一つ文句を言わないという話でございましたので、医者の処遇改善については大きな問題でございますので、どうか前向きに取り組んでいただきたいと思います。 3つに、医大及び医学部との連携強化についてであります。 医師確保のためにはこのことが最も重要であると考えます。全国津々浦々、国公私立大学を問わずいろんなところ、大学及び医学部から医師を確保しているという病院がございます。そうするとそれぞれの医者同士がその一つの医大の方式にとらわれず、いろいろけんけんがくがく医療について討議するそうであります。一つに縛られない医療体制ができ上がると、大変メリットがあるということでございました。 そんなことから、全国の医大及び医学部とのパイプを深める連携強化策が今まさに必要だと考えますが、いかがお考えでしょうか。具体的な取り組みについてお伺いいたします。 ◎病院局長(鈴木正一君) 医師の確保に向けましては、これまでも東北大学、福島県立医科大学はもとより、必要に応じ関東圏の大学などに対しましても、派遣の要請を行うなど、鋭意、努力をしてきておるところでございます。 おただしの全国の医大との連携強化につきましては、本市の置かれた地理的条件等を踏まえ、引き続きこれまでの大学医局とのつながりを重視しながらも、医師の確保は病院経営上最も重要な要素であるとの観点から、ホームページや雑誌への広告掲載なども含めまして、医師採用の多元化に向けた検討も行ってまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 呉羽総合病院の窪田先生が、日々の新聞2月28日の欄にこんなことを書いております。簡単に医師を求めればいいというものではないと、その人材の能力やキャラクターを推しはかる方法はないと、問題のあるドクターを採ってしまったときのリスクはかなり大きいので二の足を踏むことも多いという記事を書いておりますが、この医師の確保についてはこれからいろいろ大変だと思います。しかし、今最も重要な課題として受けとめているということでございますので、このことについていろんな方策をとりまして前進されますことを期待申し上げます。 次に質問の4は、人件費削減についてであります。 ある病院関係者の方から、医業収益に占める人件費の割合が50%を超えると病院経営は苦しいという話を伺いました。現在、本市の両病院ではその割合が高く、共立病院では60%程度、常磐病院では80%程度となっております。このような状況をかんがみますと、人件費については今後対応すべき大きな課題であると考えます。人件費削減についてどのようにお考えかお伺いいたします。 ◎病院局長(鈴木正一君) 市立病院におきましては、これまで事務事業の委託や特殊勤務手当等の見直しなどによりまして人件費の縮減に努めてきたところでありますが、職員の高齢化に伴い、給料や退職給与金が増嵩することや経営規模に応じた人員配置が必要でありますことから、今後、なお高い水準で推移することを余儀なくされている状況にございます。このようなことから、今後の市立病院事業におきましては、人件費比率を引き下げるためには人件費の見直しに加えまして、収益の増加を図ることを主眼とした取り組みをあわせて行うことにより、収支構造の改善を図っていく必要があるものと考えております。 具体的には、市病院事業中期経営計画において、平成22年度末の経営指標として設定いたしました紹介率や逆紹介率、患者一日一人当たりの入院収益等の目標値の達成に向けまして、各種取り組み項目を着実に実行することにより、安定した経営基盤の確立につなげてまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 質問の5は、地域連携についてであります。 病院完結型から地域完結型へ医療環境が変わってきている状況の中で、地域全体で役割分担を明確にして相互協力体制を構築していくことが重要になってきております。そこでお伺いいたします。1つには共立病院といわき市医師会との連携をどのようにお考えでしょうか。 ◎病院局長(鈴木正一君) 急性期医療を担う役割を有します総合磐城共立病院では、これまでいわき市医師会の構成員であります医療機関からの紹介患者を受け入れ、また一方、急性期を脱し症状の安定した患者さんにつきましては、転院等の逆紹介を行ってまいりました。 当院は、市立病院改革に係る基本方針の中で、急性期医療、紹介型の医療に機能特化するとともに、地域医療機関との役割分担と地域医療連携システムの構築を明確化したところでございます。このため、本年度から地域医療連携室を院内組織に位置づけ、専任の職員を配置したところであり、今後は連携医療機関の拡大やメディカルソーシャルワーカーを活用いたしまして、紹介率・逆紹介率のさらなる向上を図る取り組みを行うなど、これらを通しまして市医師会との連携体制を充実・強化してまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 2つに、いわき市全体の医療という観点から昨年12月発足いたしました地域医療協議会の状況は、どのように進展しているのでしょうかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(木村清君) いわき市地域医療協議会につきましては、本市の喫緊の課題であります救急医療や産科医療などを調査・研究・協議するため、いわき市医師会、いわき市病院協議会の皆様と市関係部局をメンバーとして昨年12月に設置したものでございます。これまで3回開催し、地域医療に係る課題について、周産期医療について及び救急医療についてなどを議題として協議してまいりました。 現在、円滑な救急医療体制の構築に向けた取り組みについて検討しているところであり、今後におきましても、市民の皆様が安心して暮らせる医療体制を目指し、医療機関の連携についても調査・研究・協議してまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 質問の大きな2番は、教育行政についてであります。 第1点は、一貫教育についてお伺いいたします。 小・中学校一貫教育推進校として、具体的に、石住小・中学校、貝泊小・中学校、川前小・中学校、小白井小・中学校がこのたび一貫教育推進校として指定されましたが、これは、学力向上、生徒指導、人格形成等教育現場の多くの課題解決に向けて長期的な視野に立ち、児童・生徒の発達段階を小・中連携・連結の中で指導できるという観点から、大変時宜を得た取り組みであると考え大いに期待しております。 4月に実施されて以来3カ月程度の経過ですので、まだまだ全体的な成果があらわれているという段階ではないかと思いますが、現在までのスタート段階での取り組みが今後の教育的効果に大きな影響を与えるのではないかと考えます。 そこでお伺いいたします。1つには、現在までのこのような小・中学校一貫教育推進校の状況について、どのように展開しているのかお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 平成19年4月より、義務教育9年間を通して子供たちの発達段階に応じたきめ細かな学習指導や生徒指導に取り組む小・中学校一貫教育を開始したところであります。 一貫教育の推進校におきましては、小・中学校間の円滑な接続を図り、一貫したカリキュラムによる学習を行うために、教育課程や指導体制を改善し、教職員が一体となり教育活動に取り組んでおります。さらに、入学式や運動会、避難訓練等の学校行事を小・中学校合同で行うなど、幅広い年齢の子供の交流を通して、豊かな心の醸成を図っているところであります。 ◆25番(蛭田克君) 次に、このたびのいわき市小・中学校連携教育推進事業の中で、今後の検討課題として取り上げられております9年間の教育課程編成による同一敷地・校舎の小・中一貫校について、これは検討課題というので出ておりますが、これからの見通しはいかがでしょうか。 ◎教育長(砂子田敦博君) 小・中学校一貫校への対応は、本年度からの小・中学校連携推進事業の成果等を踏まえ、モデル的な取り組みをしている学校を参考としながら、今後研究してまいりたいと考えておりますが、私も実施校を訪問してまいりましたところでは、着実に順調にスタートしたものと思っております。 ◆25番(蛭田克君) それでは2つには、中高一貫教育についてお伺いいたします。 この件につきましては、過去に私も質問いたしましたが、御承知のとおり、ことし4月に県立の会津学鳳中・高学校が創設され、併設型の県内最初で唯一の県立中学校としての中・高一貫教育がスタートいたしました。 学校説明会が県内各地で開催されましたが、どこでも多くの参加者があったとのことであり、いわき市でも30名を超える児童・生徒及び保護者が参加したと聞いております。また、中学校の受験者も県内各地より集まり、90名の定員に対し373名の受験者があり、倍率は実に4.14倍という大学並みの数字になっているとのことであります。 こういったことから、この学校に対する県民の期待・関心の高さ、大きさがうかがわれるところであります。学校の説明によりますと、今後は、総合学科の特性を生かし進学校を目指したいとのことでありました。また、中・高生が一緒になって部活動や生徒会活動をすることにより幅広い年代間の交流が進み、児童・生徒の人格形成の上で大きな成果が期待できるとのことでありました。 また、私立高校での中・高一貫教育の取り組みも進んでおり、本市でも東日本国際大学附属昌平高校は既に実施しており、本年4月より中・高一貫学校を視野に入れた磐城緑蔭中学校が設立されました。また、県南地区の伝統校である学法石川高校でも近年中の検討を深めていると聞いております。 公立学校における中・高一貫学校の設立主体は県教育委員会であることは十分承知しておりますが、教育効果への期待度や今日的ニーズを持った学校形態であることなどを考えますと、本市へ公立の中・高一貫学校を設立すべく県への働きかけを強めるべきと考えますが、いかがお考えでしょうかお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 併設型の中・高一貫教育につきましては、ゆとりのある学校生活を送り、計画的、継続的な教育指導が展開できるというメリットがある反面、受験競争の低年齢化や長期間固定された生徒指導や学習習慣になじめない生徒への対応が必要になる場合も想定されるところであります。 さらに、ただいま議員御指摘のように、高等学校を主管する福島県や地域の特色を生かした学校づくりに取り組む高校側の考えもありますので、平成19年より開設されました併設型の福島県会津学鳳中学校・会津学鳳高等学校等の中・高一貫教育の動向を、注視する必要があるものと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 9日土曜日の新聞に、福島成蹊学園に中学校新設を計画という大きな新聞報道が出ておりました。その中には福島成蹊高校と併設型の中・高一貫教育を行う6年間の一貫教育を導入することで、生徒への学習指導や受験指導の強化を図り、国公立や私立の難関大の合格アップにつなげるということが出ておりました。 生徒数の減少によって、私立高校の経営面を視野に入れた生き残り策ということも、この中・高一貫学校は言われる声も聞かれますが、私はむしろ生き残り策を考えなければならないのは、学ぶ児童・生徒の大きさ、それから教育的効果の大きさということを視野に入れますと、むしろ公立高校なのではないかと。いわき市において小・中連携、中・高連携と高校までを視野に入れた教育体系を計画していく、実践していくということは非常に大切ではないかと思います。 いろんな方面からいわき市の学力が低下している、また部活動が停滞している等々いろんなことが聞かれます。そこで、本市として主体的に中・高一貫教育について研究を深めるべきと考えますがいかがお考えでしょうか。 ◎教育長(砂子田敦博君) ただいま議員御指摘になりましたように、会津学鳳中学校・高等学校、あるいはまた成蹊高等学校等におきましても、中・高一貫教育について、会津の場合には本年4月から、成蹊の場合には来年度からという実施の取り組みもありますが、本市における中・高一貫の教育につきましても、やはり地域の実情を十分踏まえながら、ただいま議員からの御指摘がありましたように本市についてのあり方について十分研究を進める必要はあるものと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 次に、中・高連携教育についてお伺いいたします。 現在、県と相馬市、双葉町、塙町、田島町等でそれぞれ行われておりますが、中学校の教師がそれぞれ学校に籍を置きながら該当の学校に出向き、授業や課外活動等を相互に行い、連携を深めるというシステムでありますが、こういう連携を本市でも行うべきと考えますが、県への要望をどのようにお考えでしょうか。 ◎教育長(砂子田敦博君) 連携型の中・高一貫学校の設置につきましては、県は、浜通り、中通り、会津の3つの地域や7つの生活圏など県全体のバランスに考慮しながら、中学校、高等学校を取り巻く諸条件を見きわめ、配置場所を十分検討をしながら導入を進めることとしておりますことから、今後は、県の動向と地域の実情を十分に踏まえる必要があるものと考えているところであります。 ◆25番(蛭田克君) それでは次に、中等教育学校、これは中・高一貫の学校形態の一つでございますが、全国的に注目されております。少し古いかと思いますが、平成16年度では全国で国立2校、公立4校、私立9校が設置されております。今後予定が9校あるということでございます。これは、6年間一貫したカリキュラムによる教育活動が構成されるということで、長期的な視野に立った教育展開が行えるという点で大きな特色がございます。この中等教育学校ということにつきまして、教育長はどのようにお考えでしょうかお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 中等教育学校につきましては、ただいまも御指摘がございましたが、県と市が共通理解を持ちながら、地域の実情を十分に踏まえながら総合的に判断するものであると考えておりますので、モデル的な取り組みをしている学校を今後とも十分参考にしながら研究課題とさせていただきたいと考えておるところであります。 ◆25番(蛭田克君) 中・高一貫教育は、カリキュラム作成上等で長期的展望に立てるという点で、学力向上や生徒の活動面で大きなメリットがあると言われております。この実施がなかなか困難であるということでございますが、本市の学力向上のための具体的な手だてとしてどのような計画をなされるのかお聞きいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 小・中学校の児童・生徒に確かな学力をつけるため、市の学力向上プランにより学校と家庭で取り組むべき方向性や手だてを示しながら、生活習慣や学習習慣の学びの基礎力や教科学力、問題解決力や豊かな心の生きる力をバランスよく育てることとしております。 1つには、個に応じた指導を実施するための少人数教育を推進すること、2つには、各学校における学力向上の取り組みを充実させるために学力向上支援連絡会議、学力向上推進研究会議を開催いたしまして、特に早寝・早起き等の生活習慣や学習習慣を定着させながら教科学力を高めること、3つには、教員の資質・指導力を向上させるための研修を充実させること、4つには、学力向上に関する国や福島県の研究指定を受けた湯本地区、勿来地区で実施しております学力向上拠点形成事業、パートナーシップ事業等の成果を市内に広めること、5つといたしまして、小学校と中学校が連携し継続的な学習指導に取り組むことであります。小・中一貫教育も学力向上の具体的な手だての一つであると考えているところでございます。 ただいま申し上げましたこれらのいろいろな手段の実現を図るために最も大切なことは、学校長の経営力と指導力に負うところが極めて大でありますので、県・市教育委員会を先頭といたしまして総合教育センターを初め、教育センターが主導権をとりながら一体となったたゆみない努力を重ねていくことが必要であると考えているところであります。
    ◆25番(蛭田克君) 今後、小・中だけではなくて、小・中・高と、県との連携を深めながら高校まで見据えたいわき市の教育の展開をさらに実践されますことを要望いたしまして、次に入ります。 第2点は、学校カウンセラーの機能充実についてお伺いいたします。 先月、会津若松市で大変不幸な事件が発生いたしました。全国的に衝撃を与え、また驚愕の事件であります。何ともやりきれない気持ちでいっぱいになってしまいます。こういった事件、現代という社会の中でこの事件は、だれにでも起こり得る危険性を有しているのではないかと考えます。このような中で私は、もし今回の事件の生徒及び保護者、そして該当校の教師に対しまして、カウンセリングがもっとより一層充実していたならば、あるいはこのような悲劇には至らなかったのではないかと思えてならないのであります。学校カウンセリング、すなわち教育相談の充実は、現代という病める時代が進む中にあって、学校現場で大変重要な位置を占めていると考えるものであります。 そこでお伺いいたします。1つには、本市における学校カウンセラーについてはどのような状況になっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本市におきましては、国の事業といたしまして、本年度、15名のスクールカウンセラーを小学校2校、中学校26校に配置し、児童・生徒、保護者、教職員の相談に当たっております。 また、市の事業として、医師3名、臨床心理士1名から成る専門的教育相談員をいわき市総合教育センターに配置し、月1回、児童・生徒の悩み等の相談に当たっているところでございます。 ◆25番(蛭田克君) 各小・中学校へそれぞれのカウンセラーを配置しているということでございますが、2番の質問はその質問でございましたが、わざわざ出向くのではなくて、学校において、その場で児童・生徒、教師、保護者等々の方々に、このカウンセリングを実施するということについて、今後さらに深めていただきたいというふうにお願いいたします。 第3点は、学校図書館の充実についてであります。 学校図書館の充実、なかんずく司書教諭の各校配置につきましては、これまでも議会で多く質問されており、大切な課題の一つとして受けとめております。今般、教育委員会が文部科学省の支援を受け、学校図書館の効果的な活用・運営を図ることを目的として、学校図書館支援センター推進事業に取り組み、今議会に上程されておりますが、このことは学校図書館の充実に向けての前進と大いに歓迎するところであります。 お伺いいたします。本事業を推進する中で、司書教諭を中心とする学校図書館の機能充実に関して具体的にどのように取り組まれるお考えかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 学校図書館支援センター推進事業は、学校図書館の効果的な活用・運営を図るために文部科学省が行っている事業でございます。 本市では、今年度より本事業の指定を受け、授業改革の扉を開く学校図書館教育をねらいとし、児童・生徒が学校図書館を積極的に活用しながら学びを深めていく質の高い教育活動を推進しております。 事業内容といたしましては、学校図書館の効果的な活用・運営を図るため、学校図書館支援センターを設置し、公立図書館との連絡調整や実践的な調査・研究に取り組みながら、司書教諭そして図書館主任を中心とする全教職員体制で、学校図書館の担う役割でございます読書活動を支える機能と、総合的な学習の時間などでの調べ学習を支える機能の2つの機能の充実・強化を図るものでございます。 ◆25番(蛭田克君) それでは、今後、本事業を通して成果が期待できる点についてお伺いいたします。1つには、司書教諭の全校への対応をどのようにお考えかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 現在、司書教諭の資格を持っている教員数ですが、小学校が98名、中学校が41名、合計139名であり、12学級以上のすべての小・中学校に司書教諭を配置しております。 本事業を進める中で、研究校以外の学校にも司書教諭や図書館主任等に対する支援の枠をさらに広げ、図書館教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 次に、学校図書館の蔵書冊数についてですが、蔵書を標準冊数へ達するべく、各校への対応をどのようにお考えでしょうかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本事業の推進とともに、図書の整備・充実は大切なことでございまして、これまでも計画的に取り組んできたところでございます。 本年5月の調査では、市内小・中学校全体の蔵書達成率は約90%であり、前年比5%の増加となっております。今後とも、各学校の実態に応じて計画的に図書の充実に努めるとともに、本事業を通して学校図書館と公立図書館との連携も深めてまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 質問の3は、自動体外式除細動器AEDについてであります。以下、AEDと申し上げます。 第1点は、AEDの市内全74校の小学校への配置についてであります。 ことし4月より、市内44校の中学校へ配置されましたが、この件につきまして小学校へも配置すべきであると考えますがいかがでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 近年、小学校におきましても、身体の成長をはぐくむための活動といたしまして、運動会はもとよりマラソン大会や小体連に向けた練習など、スポーツへの取り組みが活発化しております。こうしたことから、教育委員会といたしましては、不測の事態から児童を守るという必要性にかんがみ、市の設置指針との整合性を図りながら検討してまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) ぜひとも必要だと思いますので要望いたします。 第2点は、パットを含めたAEDの維持管理についてお伺いいたします。 現在、市内の36カ所にAEDが配置されておりますが、これら施設のAEDの利用状況はどのようになっているでしょうか。 ◎保健福祉部長(木村清君) 本市では、平成18年6月に市の公共施設36カ所にAEDを設置したところでありますが、現在までのところ、実際に使用した実績はございません。 ◆25番(蛭田克君) 次に、パットを含めたAEDの維持管理でございますが、パットの耐用期間も22カ月でしたか、非常にありますものですから、この維持管理についてどのようにお考えかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(木村清君) AEDの維持管理につきましては、いわき市における公共施設への自動体外式除細動器AEDの設置指針において、設置施設を所管する部局で行うことと規定しており、これに沿って維持管理をしております。 なお、パットやバッテリーなどの使用期限のある消耗部品につきましては、使用頻度や使用期限に注意を払い、適切に交換などを行ってまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 次に、AED使用に関する講習についてでありますが、応急手当普及について伺います。御存じのとおり、応急手当普及員はAEDの指導・講習のリーダーになる人たちであります。AEDの普及や救命率向上において欠かせません。 そこでお伺いいたします。応急手当普及員を各施設、事業所等に必ず1名配置するなど、普及員を広める施策が必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。 ◎消防長(上遠野洋一君) 応急手当普及員が行っております講習は、事業所や地域における救命率の向上を図る上で大きな役割を果たしております。このため、自主防災組織の訓練、防火対象物の立入検査、そして防火管理講習などにおいて、応急手当普及員の養成と講習の開催を積極的に訴え、この制度を多くの事業所や公共施設などに広げてまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 今度中学校に配置されますので、同じ意味で学校ではこの応急手当普及員をどのようにお考えでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 救命法に関し必要な技能と知識を有する応急手当普及員が学校に在籍することは、不測の事態などに備え、大変有意義であると考えております。現在、本市の小・中学校のうち29校に応急手当普及員が在籍しておりますが、在籍していない学校につきましては、消防本部が主催する応急手当普及員養成講習を積極的に受講するよう、各学校に働きかけをしてまいりたいと考えております。 なお、中学校につきましては、AEDの適切な使用が図られるよう、8月末までに全教職員を対象に普通救命に関する講習を受講することといたしております。 ◆25番(蛭田克君) 第4点は、市内におけるAEDの機種の統一についてであります。 AEDは、その重要性を考えますと、いつでも、どこでも、だれでも、より簡単に使用できるものでなければならないと思います。そのような意味で、市内におけるAED設置に関して機種を統一すべきではないかと考えますが、どのようにお考えかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(木村清君) AEDの機種につきましては、講習受講者にとっては、講習に使用した機種と同一の機種が設置されていることが望ましいと考えておりますが、民間施設を含めて市内の設置機種を統一することは困難であり、またAEDは、いざというときに現場に居合わせただれもが操作できるよう、音声ガイド等も取り入れ、操作方法が簡単につくられておりますので御理解を賜りたいと存じます。 ◆25番(蛭田克君) 質問の4は、市道における歩道の段差解消事業についてであります。 本市においては、道路形態が、合併前からの形がまだ改善されない場所も多く見られます。そのようなことから、子供や高齢者、障がい者の人たちにとって歩行の上で不便や危険性があると指摘されております。 そこでお伺いいたします。現在、実施している段差解消事業の状況について、どのようになっているのかお伺いいたします。 ◎土木部長(佐藤廣君) 歩道の段差解消事業につきましては、安全で快適な歩行空間確保のため、現在、あんしん歩行エリアとして国土交通省の指定を受けた平、内郷、泉及び植田地区、さらには、車両交通量が多く、既存歩道の凹凸により歩道利用者が危険な状態にある幹線市道において、国庫補助事業を導入し、年次計画により整備を図っているところであります。 これまで実施した過去3年間では、平地区の正内町・北目線約300メートル、三倉・尼子線約350メートル、小名浜地区の南富岡・元分線約1,000メートル及び隼人・大原線約160メートルを整備し、今年度はあんしん歩行エリアである平地区の三倉・尼子線約250メートル、植田地区の本町・碇田線約350メートル、平地区の幹線市道である十五町目・若葉台線約470メートルの整備を予定しているところであります。 ◆25番(蛭田克君) 今後のこの事業に対する取り組みについてお伺いいたします。 ◎土木部長(佐藤廣君) 今後の歩道の整備につきましては、福島県が平成17年3月に作成したふくしま公共施設等ユニバーサルデザイン指針に基づき、すべての人が、安全・安心で利用しやすい歩行空間を確保するため、連続的な平たん性とともに、段差軽減となるフラット型またはセミフラット型を採用し、歩車道境界部を1センチメートル以下に抑えた段差解消の整備に努めてきたところであります。 今後におきましても、ことし2月に本市が策定したいわき市ユニバーサルデザイン推進指針との整合を図りながら、現在進めておりますあんしん歩行エリア区域内及び幹線市道について、優先的に整備促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 質問の5は、イノシシによる農作物の被害についてお伺いいたします。 1つには、本市における過去3年間のイノシシによる農作物の作物ごとの被害状況についてお伺いいたします。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 農作物の被害発生地区から提出されました有害鳥獣捕獲等依頼書に記載されている被害状況によれば、主な作物で申し上げますと、平成16年度は、水稲が被害面積110アール、被害額が85万1,000円、ジャガイモがそれぞれ148.6アール、92万3,000円、カボチャが27アール、11万7,000円、その他を合わせますと全体で484.6アール、334万9,000円の被害となっております。平成17年度は、水稲が175アール、97万7,000円、ジャガイモが57.1アール、28万8,500円、カボチャが15アール、9万9,000円、その他を合わせますと全体で383.6アール、181万8,500円の被害となっております。平成18年度は、水稲が356.1アール、85万3,500円、ジャガイモが78.5アール、42万円、サツマイモが8.3アール、7万8,000円、その他を合わせますと全体で653.9アール、291万6,100円の被害となっております。 ◆25番(蛭田克君) 次に、本市におけるイノシシの実態調査についてお伺いいたします。 イノシシは1日に20キロの行動範囲を持つとか、1回の出産で平均10頭の子を産むとか、非常に賢い動物とか言われております。ただ、イノシシの行動形態については不明な点が多く見られます。そこでお伺いいたしますが、本市独自に本市におけるイノシシの実態調査を行うべきと考えますがいかがでしょうか。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づき、福島県は鳥獣保護事業計画を定めており、平成21年度にイノシシに係る特定鳥獣保護管理計画を策定することとしております。当該管理計画の策定に当たっては、必要に応じて市町村の協力を得ることとされておりますことから、市といたしましても、県が行う被害等の発生状況、繁殖状況、生息環境等についての調査及び情報収集に対し、保有するデータの提供など、積極的に協力してまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) 次に、イノシシと人間との共存社会の形成についてであります。 イノシシが、野生動物の多くがそうでありますように、里にあらわれる最大の原因は山にえさがなくなってきたということであります。原因の一つとして雑木林が少なくなり、杉林等が多くなってきており、その間伐が進まず、木々が密集しているため太陽光が届かず食物が生育しにくくなってきているとの指摘でございます。イノシシは、ヤマユリとかクズの葉とかミミズなどを好んで食べると言われますが、そういったものも少なくなってきているということでございます。 この山林の荒廃という指摘に立ちまして、山林の整備というものをしていかなければならない、イノシシを山に帰さなければならないと考えます。そこでイノシシの生息環境整備として、山林整備についてはどのようにお考えでしょうか。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 森林の整備につきましては、いわき市森林整備計画により適切な間伐を促進し、低木や下草の生える環境を整備するとともに、豊かな森林(もり)づくり推進事業により、広葉樹林の整備を行うなど、イノシシが山林で生息できる環境整備に努めております。また、今後もこのような環境整備につながる山林の整備が必要であると考えております。 ◆25番(蛭田克君) 一方で、イノシシと人間社会との共存ということは、イノシシの環境保護をするとともに適正に駆除するということが大事かと思います。 そこで、地域住民の安心・安全及び農作物保護等の観点から、害獣駆除については今後どのようなお考えなのかお伺いいたします。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 有害鳥獣の捕獲は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に根拠を有するものでありますことから、捕獲等の許可に当たっては当該法律はもとより、鳥獣の捕獲に関して国が定める基本指針や県の鳥獣保護事業計画に基づき判断しているところであり、今年度においては、効果的な捕獲活動の観点から、許可期間の延長及び捕獲頭数枠の拡大を行ったところであります。 また、これらの申請・許可の適切な運用に当たっては関係者の理解と協力が不可欠でありますことから、去る4月27日には、県・市の関係部局、農業関係団体、中山間地域の区長等の参集を得て、野生鳥獣被害対策セミナーを開催し、被害の実情を踏まえた有害鳥獣捕獲や被害防除対策について情報提供と意見交換を行い理解を深めたところであります。 なお、今年度は、これまでの被害の申し出のあった市内中山間部において、既に鳥獣捕獲等の許可を行ったところであり、農作物に係る被害拡大防止のための有害鳥獣捕獲が開始されている状況となっております。 ◆25番(蛭田克君) 駆除に当たる地元猟友会の皆さんもだんだん高齢化していると聞いております。市として、猟友会の皆さんと後継者育成について考えていかなければならないと考えますがいかがでしょうか。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 現在、有害鳥獣駆除隊につきましては、福島県の猟友会の各支部からの推薦によりまして、あらかじめ登録・編成しているところでございますが、ただいまおただしのとおり、猟友会会員の高齢化は今後の大きな課題の一つと認識しておりますので、この課題解決に向けまして猟友会の皆様との意見交換をしてまいりたいと考えております。 ◆25番(蛭田克君) きのうの新聞に、白河市街地でハクビシンの被害相次ぐというのが出ておりました。害獣が人間の生活を脅かすということに対して今後とも真剣に取り組まれるようお願いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。            午後0時11分 休憩            ----------            午後1時10分 開議 △大平洋夫君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。17番大平洋夫君。          〔17番大平洋夫君第二演壇に登壇〕 ◆17番(大平洋夫君) (拍手)17番清和会の大平洋夫です。通告に従い、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、道州制についてであります。 本件につきましては、平成16年3月、当時の内閣総理大臣から諮問を受けました地方制度調査会が、国と基礎自治体の間に位置する広域自治体のあり方を見直すことによって、いわゆる本制度を導入することによって地方分権を加速させ、国家としての機能を強化し、効率的な政府を実現するための有効な方策となる可能性を有しているとの一定の結論を得たことから、平成18年2月にその答申があり今日に至っております。その後、国では、安倍内閣のもとに道州制担当大臣を置くと、昨年12月には道州制特区推進法が成立し、ことしに入ってからは道州制ビジョン懇談会が開かれるなど、導入に向けた動きが加速しております。 しかし、なぜか基礎自治体が蚊帳の外に見えるのであります。さきの全国世論調査においては、62%の方が本制度に反対との結果が出ています。また、去る4月8日に執行された福島県議会議員選挙にいわき市選挙区から立候補した12人に対するアンケートにおいても、賛成4人、反対6人、どちらとも言えない1人、無回答1人となっておりました。いまだに地方分権が不十分なまま道州制に移行した場合に、果たして住民による自治が担保されるのか、また、効率的な政府実現が、逆に地方へしわ寄せとなりはしないかとの懸念をしてのことと私は思うのであります。 こういうときにあって、日本経団連は、都道府県を広域自治体に再編する道州制を導入するための法律を2013年までに制定してはとの提言を取りまとめ、また、東北経済連合会も東北地方の自立・発展、経済活性化、そして住民の豊かな暮らしに資するものであれば本制度の導入も意義があると評価し、国に対しグランドデザインの早期提示を求めております。同会長は、道州制をめぐる論議は地方の自立と分権型社会の形成に向けた動きであり、避けて通ることはできないとも述べております。 また、今月に入って、1日には県内の地方6団体が参加した県自治体代表者会議が開かれ、道州制に関する勉強会設置を申し合わせ、今後県民からの意見公募等も行うとしています。5日には全国知事会の道州制特別委員会も開催されております。このような動きになってきていることや、道州制をただ単に都道府県制度の改革とのみとらえるものではあるまいと思うところから、基礎自治体としてどうあるべきなのか。 1点目、道州制に対する基本的な考えについて、市長にお伺いします。 ◎市長(櫛田一男君) お答えいたします。 議員おただしのように、この道州制は、大変、今賛否両論で分かれて議論を闘わせているところでありますが、そもそも道州制は、肥大化、そして硬直化した国の組織を改革しながら地方分権を推進するとともに、都道府県の区域を越えるような広域的な行政課題等へ対応する観点から、現在、国において検討が進められている制度であります。 具体的には、広域自治体として、現在の都道府県にかえて道または州を置き、地方公共団体を道州及び市町村の二層性にしようとするものであります。すなわち、県は要らないとする二層性であるかもしれませんが、また、道州制の導入に関する課題といたしましては、国と道州、市町村の役割分担の明確化、道州制下における大都市部への新たな一極集中、さらには、税財政制度のあり方などが指摘されておるところでございます。 私といたしましては、道州制は国と地方の双方のあり方を再構築し、国家としてのシステムを見直す極めて重要な問題でありますので、国民的な議論を踏まえ、慎重に検討を進める必要があるものと考えております。そして、経済的にも社会的にも開かれた日本というものの将来像を考える政治家は多いわけでありますけれども、議員おただしのとおり、避けて通ることのできない課題であるという認識は持っておりますので、これからも慎重に考えていきたいと思っております。 ◆17番(大平洋夫君) 答申の中には、道州の区域、また、その区域の範囲について、全国を9つ、あるいは11、13のブロックに分ける3案が示されておるわけでございますが、本県はいずれにしましても東北あるいは南東北のエリアに線引きがなされているようでございます。人の交流、経済、観光などなど、本市の実情を考慮したとき、この先北関東にくみしてもよいのではという一部市民の声も聞こえてきておるところでございますが、それらは今後の課題といたしましても、市民の皆さんの声が一番重要となるわけでございますから、2点目として本制度導入の昨今の動きから、道州制そのものについての今後の対応についてお伺いいたします。 ◎行政経営部長(仲野治郎君) 道州制の導入につきましては、地方自治の根幹にかかわる問題でありますことから、市といたしましては、今後、全国市長会や中核市市長会、さらには、福島県が設置を予定している県市長会など関係団体による事務レベルでの勉強会などを通じて情報収集を行い、他市と連携しながら、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) よろしくお願いをしたいと思います。 大きな質問の2番目は、人口の減少と集落の対応についてであります。 本市の本年6月1日現在の人口は、現住人口調査結果表から35万388人、やっと35万人を維持している形でございますが、これが最大時の平成10年の10月1日の統計によりますと36万1,934人であったわけです。比べまして1万1,546人がわずか8年半で減少したことになります。余りにも早いこのような減少は、だれもが予想できなかったかと思います。当時と比べて増加したのは、旧町村単位で見たときに、平の1,056人、小名浜の1,323人だけであります。他の地区はすべて減少しております。特に、勿来の3,098人、内郷の3,045人が数的には多いところです。割合で見ますと山間部、川前の24.3%が最も高く、次いで田人の17.4%、三和の17.2%、久之浜・大久の11.6%、遠野の10.2%の順で10%を超えたわけでございます。これを世帯数で見ますと、減少したのは田人の62世帯が最も多く、川前の50世帯、三和の37世帯、内郷で9世帯が減った以外は、他地区はすべて増加しておるわけでございます。人口は減ったが、世帯数は市全体で7,967世帯増加しております。このことは、市内における市街地への集中化と核家族化の時代現象と見てとれます。 先般、共同通信社が実施した2006年の各都道府県間の人口移動集計を見たとき、東京圏への人の流れが加速し、東京都では転入超過が9万人を突破し、逆に本県では7,785人の転出超過であったわけです。これは全国で4番目に多かったと報じられております。また、厚生労働省が去る5月29日に発表した2035年までの都道府県別将来推計人口を公表したのを見ますと、本県は21%の減になると予測しております。この値をそのまま本市に当てはめてみますと、本市人口は27万6,000人ぐらいになってしまうのではないかと案ずるところでございます。 去る5月14日の地方自治経営学会研究大会において、人口が減って景気が豊かになった歴史は古今東西にはないと述べられた講師もおりました。現実に、東京圏では、景気の回復やマンションの値ごろ感から流入が進む一方で、地方の山間部は過疎化が進み、集落の消滅の危機さえ出てきております。食料の生産や森林保護といった地方の役割は、そこに住民がいて集落機能を維持してこそ守られるものと私は思うのであります。去る2月定例県議会においても、県は過疎法指定の28市町村を調査したところ、ここ10年以内あるいはいずれ消滅の可能性がある集落が41集落に上がっていることを公にしております。 そこで、本市は過疎法指定はありませんから、地域振興5法に基づく指定地区内についてお伺いしますが、本来であれば集落という単位で質問するところでございますが、大字単位での地区というとらえで結構でございますので、御回答いただきたいと思うんですが、1点目は、人口の減少率についてであり、1つ目、平成18年と昭和46年、これは過疎地域の要件の中で昭和45年ととらえておりますのがあるものですから、私は昭和46年と比較して、人口の減少率が30%を超えている地区についてお伺いします。 ◎行政経営部長(仲野治郎君) 本市において、人口の減少率が30%を超えている地区について、山村振興法等の指定地区で申し上げますと、四倉町玉山地区が65.6%、四倉町八茎地区が63.4%、田人町石住地区が61.7%、大久町小山田地区が60.3%、川前町川前地区が60.0%などとなっており、合計で27地区が該当しております。 ◆17番(大平洋夫君) 2つ目に、その人口が著しく減少している主な原因についてお伺いしたいと思います。 ◎行政経営部長(仲野治郎君) 人口減少の主な原因としては、地域を支えてきた農林業等を初め、基幹産業の低迷が考えられます。さらに、それらと関連して、就業・就学のための若年層の域外流出などの社会減に加え、少子化に伴う自然減などが挙げられると考えております。 ◆17番(大平洋夫君) 2点目は、高齢者比率についてでありますが、1つとして高齢者比率が30%を超えている地区についてお伺いします。 ◎行政経営部長(仲野治郎君) 高齢者比率が30%を超えている地区といたしましては、田人町貝泊地区が42.3%、川前町川前地区が42.1%、田人町石住地区が39.3%、三和町差塩地区が39.2%、三和町上市萱地区が37.9%などとなっており、合計で27地区が該当しております。 ◆17番(大平洋夫君) 集落でなくて地区でとらえたとき、限界地区は私の調査ではないと思うんですが、55歳以上の人口比が50%を超えます、いわゆる準限界集落に相当する地区があるかどうかお伺いします。 ◎行政経営部長(仲野治郎君) 55歳以上の人口比が50%を超えている地区といたしましては、三和町上市萱地区が58.0%、三和町差塩地区が52.9%、田人町石住地区が52.0%、川前町川前地区が52.0%、四倉町山田小湊地区が51.1%、田人町荷路夫地区が50.8%で、計6地区となっております。 ◆17番(大平洋夫君) ありがとうございます。 そのように大変厳しい中山間地の実情でございますが、京都府の綾部市では限界集落振興条例というのを制定しておりますが、先般、私は環境経済常任委員会で大分市を訪れましたが、ここでは市独自に市域内の過疎対策事業というのを制度化しまして、防犯灯あるいは自治公民館、あるいは生活交通路線運行維持などに積極的に支援しておる状況を勉強してきたわけでございます。 私は、この集落の消滅を座視する愚かだけは絶対に避けなければならないと思うところから、3点目は維持・向上を図るために取り組む方策についてお伺いしたいと思います。 ◎行政経営部長(仲野治郎君) 急激な人口減少や高齢化の進展が著しい中山間地域におきましては、農林業の基盤整備や担い手の育成、道路網の整備や救急救命体制の充実、地域交通の課題解決に向けた地域住民などの取り組みへの支援、さらには、地域の資源を活用した市民主体のさまざまな取り組みに対する支援や、定住・二地域居住の促進など、総合的な振興対策に取り組んでいるところであります。 ◆17番(大平洋夫君) ひとつよろしくお願いしたいと思いまして、大きな質問の3番目に入ります。農業の諸課題でございます。 美しい農村なくして美しい国づくりはないと、これは安倍首相がみずから本部長を務めます食料・農業・農村政策推進本部で決意を述べたものでありますが、美しい景観、文化、伝統、環境を支える多面的機能を持った農業をしっかり守っていかなければならないと、そして守っていくだけでは若い人たちが農業に参入してこない。そこで、農業を戦略産業に転換し、攻めの農政の必要性を強調したのであります。 今年度から、品目横断的安定対策、新たな米の需給調整システム、そして、農地・水・環境保全向上対策を3本の柱とした本格的な農政の改革がスタートしました。中でも、輸出促進やバイオマス利用の実用化、知的財産の保護・活用、農山漁村活性化プロジェクトの推進、農地政策の再構築などが今後の課題となることでしょうから、本市農政にありましても、後追いでなくて時代を先取りした、そして市の独自性を引き出したところの積極的な展開を望むところから、以下お伺いしますが、1点目は、農山漁村活性化戦略についてであります。 本戦略の法律が成立し、今年8月1日には施行されると仄聞をしております。農山漁村の活性化の主役は地域であり、地域みずから考えて行動することが基本であるとしてあります。もっともなことだとは思うのですが、しかし、若者が流出し高齢化が進む集落の現状に目をやったときに、その行動にも限度があります。よって、行政の各般にわたる支援なくしての活性化は考えられません。 そこで、1つとして、活性化を推進するための主な戦略はどのようなものがあるのかお伺いします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 主な戦略につきましては、農林水産物を核とした生産・販売戦略や加工戦略、また地域資源を活用した交流戦略やバイオマス戦略、さらには、新たな手法による企業連携戦略や地域リーダー等育成戦略など、9つの戦略が示されております。 ◆17番(大平洋夫君) 2つ目として、この中での柱なんですが、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金についてでございますが、1つとして、施策の概要についてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 施策の概要につきましては、農山漁村地域において、居住者及び滞在者の増加といった観点も踏まえ、農・林・水の縦割りなく、施設の整備等の各種取り組みを総合的かつ機動的に支援するものであります。 ◆17番(大平洋夫君) それでは、それら採択要件に具備すべき事項についてお伺いします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 交付金の採択要件につきましては、都道府県または市町村などが、定住等及び地域間交流の促進による農山漁村の活性化に関する計画を策定することとなっておりますが、その計画において、区域や目標及び目標を達成するために必要な事業等を定めることとなっております。 ◆17番(大平洋夫君) それでは、その事業の実施主体はどこになるのかお伺いします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 事業の実施主体といたしましては、都道府県、市町村、土地改良区、水産業協同組合、森林組合、農業協同組合及び農業者の組織する団体等が予定されております。 ◆17番(大平洋夫君) それでは、補助率についてお伺いしたい。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 補助率につきましては、国が事業費の2分の1程度の補助を予定しているところでございます。 ◆17番(大平洋夫君) 国のことのみの回答だったわけでありますが、必要性あるいは重要性、普及性などを考慮して、市においても積極的な財政支援を行うよう、これは市長へ要望しておきます。 3つ目として、市は今後どのような戦略をもって取り組むのかお伺いします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 農山漁村の活性化につきましては、みずからの創意工夫と努力により新たな取り組みに挑戦し、地域の魅力的な資源を活用することが重要であるとされております。 このことから、市といたしましては、農山漁村の活性化の主役は地域であり、地域みずから考え行動することを基本戦略に、国が示している地域資源を活用した戦略などを柱として、具体的な活性化方策を参考に地域に適した独自の戦略を支援してまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) 大変時代は変わっております。法律もそのように変わってきているわけでございまして、制度や要綱・要領、大きくさま変わりしてきておると私も認識しておるわけでございます。新しい事業が生まれてきております。こういうのにスピーディーに、かつ柔軟性を持って対応されますよう要望いたしたいと思います。 農業問題の2点目は、ふくしま食・農再生戦略についてであります。 本戦略は、みんなで創る農業・農村3A運動、これは県の方で推進本部をつくってやっているわけでございますが、後期5カ年対策として取り組む施策であるわけでございますが、1つとして、本戦略の5つの具体的戦略にはどのようなものがあるのかお伺いします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) ふくしま食・農再生戦略につきましては、その実現に向け、1つとして食と農の絆づくりの推進、2つとして戦略的な流通販売対策の強化、3つとして持続的な発展を目指した園芸産地の取り組み強化、4つとして担い手の経営安定、新たな担い手の確保対策の強化、5つとして環境と共生する農業の全県的推進を掲げております。 ◆17番(大平洋夫君) 2つ目では、この温暖な気象条件を利用した浜通りを対象とします、ふくしまグリーンベルト形成プロジェクトについてお伺いをしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) ふくしまグリーンベルト形成プロジェクトは、農作物の栽培における新技術の開発・導入や、県オリジナル品種の育成・普及などにより、既存産地の拡大や新たな秋冬野菜の産地づくりを図り、気象条件のよい浜通り地区全体を園芸地帯とする、いわゆるグリーンベルトの形成を目指すこととした県の施策であります。 ◆17番(大平洋夫君) その中で、県の方から本市における対象となる品目が出ているかと思いますが、どのような品目なのかお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 本市における対象品目につきましては、最重点品目として、夏井地区を中心に栽培されておりますイチゴや、主に小川地区で栽培され新たに中山間地域において栽培を予定しておりますブロッコリー、また、重点品目として、四倉・勿来地区を中心に栽培をされておりますネギや、小川・好間地区で栽培されておりますアスパラガスの合計4品目であります。 ◆17番(大平洋夫君) 対象品目があったわけでございますが、対象外品目も当市におきましてはたくさん栽培できるわけでございますので、しっかりと生産から販売まで、技術面、あるいは経営面で指導・助言をよろしくお願いしたいと思うところでございます。 3点目は、食料を原料としましたエタノール生産についてであります。 最近、にわかにこの話題が出ておるわけございますが、人類は、穀物を燃料に使うのか食料に使うのかを争う時代に入ったと、世界の食料問題の第一人者でありますアメリカの地球政策研究所長のレスター・ブラウン氏が警告を発しておりまして、日本は、農産物の市場開放をするべきではなく、食料の安全保障を一層重視すべきであるとさえおっしゃっておるわけでございます。 もともと食べるものを生産してきました農業が、燃料をつくる時代に入ってきたのであります。アメリカやブラジルでは、バイオエタノール工場が建設ラッシュでございます。農地の油田化が進んでいるとまで言われております。バイオ燃料は二酸化炭素をふやさない地球温暖化防止対策の重要な柱であるわけでございますが、原油高が引き金となりました今日の加熱状態は、森林を伐採して耕地を拡大するという行為に発展し、逆に温暖化を加速させていますし、ましてや輸入国の食料に影響が及ぶようでは決して地球に優しくはないと私は思うのであります。 そこで、1つとして、このような現実をどのようにとらえているのかお伺いをしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 食料を原料としたエタノールの生産につきましては、新たな二酸化炭素の排出を抑制できること、石油燃料への依存度を下げられることなどから、国内外での取り組みが開始されております。しかしながら、一方では、エタノール用農作物の作付面積の増加により、本来、食料や家畜飼料となるべき農作物が減少し、世界的な食糧問題を引き起こす可能性があるなど、その課題も指摘されております。したがいまして、食料を原料としたエタノールの生産につきましては、今後さまざまな視点から検討すべきものと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) 5月15日の午後7時30分からのNHKクローズアップ現代で、チャンス到来休耕田での米づくりと題した放映があったわけでございます。5月31日には、東大の大学院で稲を丸ごと原料としたバイオエタノール製造の産業化を目指すプロジェクトも立ち上がっております。また、隣の宮城県の登米市では、JAと共同でバイオエタノール燃料の原料用に多収穫米の生産に乗り出す試験栽培も始めておられます。食料、飼料、えさですが、だけでなくてエネルギーの原料に農地を活用していくことを考える時代に入ったと。生産者には追い風であるかもしれません。このようなときに耕作放棄地が増大する本市においては、これら時代を読んだ策があってもよいのではないかと思うわけでございます。今朝も7時台のNHKニュースで、筑波大学によるところのヒマワリの種を利用した燃料化の話題が出されておりました。 そこで、2つ目としてバイオ燃料米等の栽培についてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) バイオエタノールの原料とすることを目的とした米の栽培につきましては、現在、宮城県登米市及び新潟県見附市において、作業の効率化や低コスト化を目指した試験研究が行われております。 米からのバイオエタノールの生産につきましては、現在の技術においては、エネルギー収支やコスト面などの課題があるものと認識しておりますので、市といたしましては、これらの試験・研究の動向を注視してまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) このような急速なバイオ燃料への穀物依存での普及には甚だ疑問もあるところでしょうが、去る5月31日のJAのいわき市の総大会、あるいは6月7日の食料・農業・農村県民会議の総決起大会では、WTO及び日豪EPA交渉に関する特別決議がいずれも満場一致で採択を見ておるところですが、そこで、3つ目としてWTO、EPA交渉をどのようにとらえておられるかお伺いをしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) WTOは加盟国、また、EPAは二国間という違いがあるものの、各国が自由貿易の利益を得るための枠組みであり、日本は、このようなルールのもとで国際貿易が円滑に行われ、対外経済関係の発展や経済的利益の確保など、総合的に勘案しながら交渉に取り組む必要があるものと認識しております。 しかしながら、我が国の農業は、他国に比べ国土条件の制約があり、生産性の格差が大きいことなどから、国は、農業の多面的機能や食糧自給率の向上などに配慮すべきと主張し、急激な自由化に反対の姿勢で交渉を続けております。これらの交渉は、本市の農業・農村の振興にも大きな影響を与えるものでありますことから、今後とも交渉の推移を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) 注意深く本当に見守っていただきたいと思うわけでございます。 4点目は、麦類や飼料作物の栽培取り組みについてでございますが、この6月6日からは二十四節気の一つであります芒種に入りました。御承知のように、芒、この辺ではノゲという、を持った穀物の種をまく時期だということですが、隣の茨城や栃木、そして県内の南相馬市などでは今まさに麦秋の候であります。黄金色となった麦の刈り取りが始まっておるんですが、しかし、本市ではほとんどその光景は見ることができません。私は先日、市内山間部で栽培されました小麦、きぬあずまという品種でございますが、これでつくられましたうどんを賞味させていただきました。無添加・無漂白であり、とてもおいしかったですし、栽培していたころを思い出し懐かしくもあったわけでございます。 世界の穀物需要がこのように先行き不透明なときに、そしてまた、鳴り物入りでスタートをしております品目横断的経営安定対策への加入者も出足が鈍いという状況の中で、遊休地活用はもちろん、裏作・表作による農地の高度活用を推進する上からお伺いするんですが、1つとして、麦の栽培状況についてお伺いします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 平成17年における、東北農政局福島農政事務所いわき統計・情報センターによりますと、三和地区で0.24ヘクタール、遠野地区で0.2ヘクタール、その他、平、勿来、小川、好間地区で小規模に栽培されており、市全体での作付面積の合計は約1ヘクタールとなっております。 ◆17番(大平洋夫君) それでは、その普及しない問題をお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 市内での麦の収穫時期は、6月下旬から8月上旬に当たりますことから、梅雨の時期と重なり適期の刈り取りが困難であること、また、本市の土壌は粘土質が多いため湿害を受けやすく、黒カビ等の病害が発生し、品質の低下を招くなどの理由により普及が進まないものと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) それでは、市内には家畜もいるわけですので、飼料作物の栽培状況についてもお聞かせいただきたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 平成17年における福島県農林水産統計年報によりますと、本市における飼料作物の作付面積については約692ヘクタールとなっております。特に、川前地区においては、水田転作による団地化に取り組んでおります。 ◆17番(大平洋夫君) それでは、麦、飼料作物、あわせて今後の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 麦類については、農地の有効利用を図るため、本市の地域条件に合った適性品種の導入や栽培技術の普及に向けて努力してまいりたいと考えております。また、飼料作物については、耕種農家と畜産農家の連携を図り、水田への稲発酵粗飼料等の導入や稲わらの飼料利用を推進するなど、引き続き奨励してまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) それらについてはよろしくお願いしたいと思います。 5点目は鳥獣害対策であります。 これは前の登壇者も質問をしておるわけでございますが、本件につきましては、私は昨年9月の定例会でも質問をいたしました。そういうことから、当局におかれましても、被害現地の実情あるいは被害に遭っている方々の生の声を聞かれていると認識しております。そういうことから、ことしに入って1月16日にはJAいわき市が主催して鳥獣被害の情報交換会も開かれましたし、市におかれましても4月27日に野生鳥獣被害対策セミナーが開かれております。これらは初めてのことであり、一歩前進と理解するところでありますが、福島市では、去る5月21日に市長を会長にした対策協議会を設立しております。そして、被害の届け出から実態調査、そして、具体的な対策まで担当窓口の一元化を進めておられます。また、イノシシ用の電気さくの設置など対策事業の説明までしておるわけでございまして、本市より対応は進んでいるのかなと見えるわけでございます。 イノシシによる被害はことしも既に各地で多発しております。農作物栽培をもうやめたという厭世観が漂って届け出をしない方がかなり多いわけでございます。これは生産者ばかりではなくて、種や苗の購入あるいは肥料とか農薬の販売、こういったところの経済面にまで影響が出ておるわけでございます。生産者個々人の自助努力ではもういかんともしがたい、限界に来ております。行政の抜本的な支援なくしては対策が不可能でありますところから、生産者は、もう一頭残らずとまでは言わないまでも、個体数を減少させることを願っております。保護するメリットは何なんだ、あるいは軸足をどちらに置いてやっているんだという声も出ておりますところから、駆除と保護についてお伺いします。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 野生鳥獣は人間の生存の基盤となっている自然環境を構成する重要な要素の一つであり、豊かな生活環境を確保する上で欠くことのできない役割を果たしております。このような趣旨を踏まえ、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律においては、野生鳥獣の保護を原則としているところですが、一方では農林業作物などに対して被害をもたらす事態が生じておりますことから、被害の状況を十分に調査した上で、有害鳥獣として捕獲を実施しているところでございます。 ◆17番(大平洋夫君) 狩猟許可や保護が生活環境部、被害対策は農林水産部、そしてライフル所持が警察署と分散しておりますんで、機動性や柔軟性に欠けているのではと思いますところから、2つ目として、福島市と同様でございますが、対策協議会を設立する考えがあるかどうかお伺いしたいと思います。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 鳥獣害対策に係る今年度の事業といたしまして、先ほど議員からお話がありましたとおり、去る4月27日には県・市の関係部局、農業関係団体、中山間地域の区長等の参集をいただきまして、野生鳥獣被害対策セミナーを開催したところであります。同セミナーにおきまして、イノシシ被害の実情を踏まえた有害鳥獣捕獲や被害防除対策について情報提供と意見交換を行い、理解を深めたところであります。また、このセミナーにおいては県から鳥獣害に対する対策会議についての提案があり、今般、いわき地方有害鳥獣被害防止対策会議が、県・市・農業関係団体などの参画により設置されたところであります。 おただしの市の対策協議会につきましては、設置された対策会議での議論の推移を見きわめるとともに、平成21年度に県が予定しておりますイノシシに係る特定鳥獣保護管理計画の動向を注視しながら、今後、農林部門と十分に協議をしてまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) これは市長を支援しております中山間部の多くの方々の切実な声でございますので、この声をお酌み取りいただきたいなと思っております。先ほど言いましたように、個々人ではもう対策が立てられないということで、集落単位あるいは水系単位、山並みごとというような対策を立てるべきと思います。 そういうときにありまして環境負荷の少ない太陽光、あるいは用水、沢水等を利用した小型発電への支援など、地域資源を活用した獣害防止対策を検討すべきではないかと思いますがいかがでしょう。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 今年度、いわき市農業協同組合では、農林水産省が公募した鳥獣害防止対策事業に応募し、遠野町をモデル地区に、太陽光発電を活用した電気さくの設置や捕獲用おりの導入が採択となったところであります。市といたしましては、これらの効果を検証するとともに、地域資源を活用した効果的な被害防止対策について関係機関・団体と連携を図り、引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) よろしくお願いを申し上げます。 大きな4番目は、森林・林業の振興についてであります。 植林はしたものの、間伐や枝打ちをせずに放置しているために、線香のように細い木々が広がる林を線香林とも呼んでおるんですが、この密植状態の線香林では、地面に日が当たらないため下草も生えず、落ち葉も堆積せず、保水力がなく、雨が降ると雨水は表土を削って一気に流れ出ます。根の張りも悪く、斜面が崩れるのを防ぐこともできません。流れ落ちた泥は川に集まり、下流へと押し流します。川の水は短時間で急激にふえ、泥がダムや堰を埋め、川底を上げ、海のいそ枯れの原因へとつながっていくわけでございます。森は海の恋人ともいいます。私も、名前からして森林に対しては殊のほかの思い入れがございます。また、市内各地にあまねく賦存する地域資源は森林であります。 そこで1点目は、国の新たな森林・林業計画についてお伺いをいたします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 本計画におきましては、水をはぐくみ国土を守る森林は、緑の社会資本などとの基本的な考え方に基づき、その施策の方向性といたしましては、100年先を見通した森林づくり、流域の保全と災害による被害の軽減、さまざまなニーズにこたえた森林づくりと利用、国産材の利用拡大を軸とした林業・木材産業の再生、国有林と民有林の連携の強化を挙げております。 ◆17番(大平洋夫君) それでは今新たな施策の方向ということで1つ目は結構です。 2つ目に、多様な森林への誘導というのはどういうことかお伺いします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 本計画におきましては、森林の多面的機能を持続的に発揮させ、地球環境の保全に貢献するため、多様な整備を計画的に推進しております。具体的には、間伐等を通した広葉樹林化や長伐期化、さらには、特に土砂流出を防ぐ複層林化への誘導を進めております。 ◆17番(大平洋夫君) 2点目は、市で初めてつくったんですが、市の森林・林業・木材産業振興プランについてお聞きしますが、元気な森が支える元気な市民、元気な地域を施策のテーマとしたところですが、このプラン本当に初めて林業行政ではつくられたわけでございます。 1つとしまして、森林資源の保全と活用の具体策について伺います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 森林資源の保全につきましては、森林整備に要した費用を助成する造林事業費補助金や、針葉樹から広葉樹へと樹種転換を図る豊かな森林(もり)づくり推進事業、市民みずからの森林整備を支援する森林ボランティア活動支援事業などを展開しております。 また、その活用につきましては、昨年度から導入された森林環境交付金事業により、小・中学生の森林環境教育を推進するとともに、植樹祭などの森林に親しむ事業を実施しているところでございます。 ◆17番(大平洋夫君) 2つ目になりますが、国産材の場合はどうしても生産効率を高めなければなりません。そういう意味からも、林道とか作業道の整備は最も重要なところでございます。そこで、地域林業の活性化策についてお伺いをしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 地域林業の活性化、素材生産性の向上のためには、林業の基盤整備の強化が必要であり、本市においては、林道の整備とともに、簡易間伐作業道整備の制度を創設し、平成16年度から平成18年度までの3年間に限り、林内路網の整備を進めてまいりました。今後は、県の林内作業路の補助制度との区分を明確にし、新たな整備手法について検討してまいります。 ◆17番(大平洋夫君) 3つ目としまして、木材産業の振興策についてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 木材産業の振興を図るためには、木材の利用拡大が重要であります。このため、強い林業・木材産業づくり推進事業を基軸に、消費者のニーズに対応できる製材品の供給体制の整備を図るとともに、公共施設等への地場産材の積極的な利用を推進してまいりたいと考えております。また、木質バイオマスの利活用促進として、公共施設への木質ペレットボイラーやペレットストーブの導入を行っております。
    ◆17番(大平洋夫君) 行政財産あるいは普通財産として市が所有する山林にも伐採や間伐適齢の森林があると思います。地域の振興はもとより、緑の雇用、ニート対策などなど、大いに活用できるのではないかと、モデル事業を創出することもできるのではないかと、そういうようなことから、3点目は、市が所有します森林の伐採活用についてお伺いをいたします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 市が所有する森林は1,375ヘクタールであり、そのうち伐期を迎えている森林は88ヘクタールで全体の6.4%であります。今後は、当森林から産出される木材を公共施設へ利用できるような方策を研究してまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) 大きな最後の項になりますが、5番目、内水面漁業の振興についてであります。 さきに閣議決定された水産白書によりますと、海外、特に中国での魚の需要が急増し、水産物輸入で世界トップの日本の地位が脅かされていると、一方では、日本近海の水産資源は悪化して、日本人の魚離れも加速していると、魚食大国日本の危うい状況に警鐘を鳴らしております。 本市の港からは、ことしは1隻だけの北洋サケ・マス船が出港いたしました。寂しいところでございますが、ことしは1隻あったというだけでもいいのかなと。大漁にて無事の帰港を願うところでございますが、さて、ことし5月に入って、四倉の仁井田川では原因不明にてオイカワの姿が見えなくなった。また新川では、多分、酸素欠乏によるだろうコイの大量死が確認されている。遡及すれば、平成17年6月には蛭田川において、上流企業から排出された液体が原因で大量のコイが海岸にまで打ち上げたことがありました。最近全国の河川で、有機弗素化合物の一種による水質汚染が広まっているとの調査結果も出ております。そのようなことから、身近な内水面漁業についてお伺いしますが、1点目は、当市ではこれをなりわいとしておる方は少ないと思いますが、サケ資源保護増殖についてであります。 本市では、夏井川と鮫川に、それぞれ任意のサケ増殖組合があります。そして活動しておったんですが、鮫川については平成13年度までで、以降は事業を取りやめております。夏井川が唯一、福島県としては最南端水系であります。本県では、現在、11の水系で捕獲とふ化場を持って、10の河川で放流をしていると聞いております。こんなことから、夏井川鮭増殖組合における過去5年間の放流稚魚数の実績は、平成14年の105万3,000尾をピークに年々減少し、平成18年では約半数となっております。 また、親魚の採捕数と採卵数そして放流稚魚数についても、平成17年度の実績で見ますと、採捕が過去最高の約5,000尾、そして、採卵数も最高の約400万粒であったものが、仕上げの段階の放流稚魚数では約67万尾と非常に低い値となってきておるわけでございます。 そこで、1つとしまして、放流稚魚数が年々減少していることについて伺います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 現在、夏井川鮭増殖組合において、夏井川流域でのサケの資源保護・増殖を目的とした放流事業が行われております。その放流稚魚数につきましては、ふ化・生育が十分でないことから年々減少傾向にあります。このため、他の組合から移入した稚魚を放流することにより、資源を維持しているのが現状であります。 ◆17番(大平洋夫君) それでは、次のふ化と生育の状況、これは今のお答えでも大体わかりますので割愛しまして、次の夏井川河口閉塞による影響についてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 夏井川河口の閉塞によるサケ資源への影響につきましては、関係機関による具体的な調査はなされていないと聞いておりますが、サケの資源保護・増殖を図る上では、好ましい状況ではないものと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) このサケの関係で、観光資源としてまちの活性化に一役買っておる自治体もありますし、良好な水質を維持するという他方面での影響もあると思います。今後の対応についてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) サケは、本市の内水面漁業のみならず、海面漁業にとりましても大変重要な資源であるとともに、地域の活性化を図る上でも有効な資源であると考えております。このことから、市といたしましても、今後、組合や関係機関と連携のもと、サケ資源の安定的な保護・増殖に努めてまいりたいと考えております。 ◆17番(大平洋夫君) それでは最後の質問になりますが、2点目は、アユやイワナ等の増養殖についてですが、本市でも、香魚、香りの魚と呼ばれますアユ漁が昨日鮫川で解禁となっております。順次、各河川でにぎやかになると思っております。去る5月28日には、渡辺小学校の児童の皆さんが、釜戸川に稚アユ6,000尾を放流している姿もテレビで放映されております。命のとうとさを学ぶ上で大変よいことだと思っておりますが、本市には数多くの中小渓流があります。関東圏からも多くの釣り人が訪れます。交流人口の増大にも一役買っておるわけでございます。夏井川水系、鮫川水系にコイ、フナ、アユ、ウナギ、ウグイ、イワナ、ヤマメ、いろいろ放流してきた実績もあります。しかし、これらについて減っているものもありますので、1つお伺いしたいんですが、市内における養殖の実態についてお願いします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 内水面における養殖の実態につきましては、現在、小規模ではありますが、イワナ、ニジマスなどの養殖がごくわずかに営まれております。 ◆17番(大平洋夫君) 放流が減少している原因についてお伺いをします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 一部の魚種の放流が減少した要因といたしましては、釣り客のニーズに応じた魚種を選定したこと、また、漁協が効率的な経営を図るため、稚魚の購入数量を制限したことなどによるものと思われます。なお、コイにつきましては、近年コイヘルペスによる影響から放流を自粛しております。 ◆17番(大平洋夫君) 今後の考え方についてお伺いをいたします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 本市は、多くの河川やそこにすむ生き物など豊富な天然資源を有し、これらは、市民のかけがえのない財産となっております。現在、市におきましては、各漁業協同組合が行う放流事業の効果を高めるため、河川流域における監視事業への支援を行っております。今後につきましても、漁協や関係機関との連携のもと、良好な河川環境の保全や適正な内水面資源の維持に努めながら、内水面漁業の振興を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(藁谷利男君) ここで、午後2時40分まで休憩いたします。            午後2時12分 休憩            ----------            午後2時40分 開議 △古市三久君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。23番古市三久君。          〔23番古市三久君第二演壇に登壇〕 ◆23番(古市三久君) (拍手)創世会の古市三久です。ただいまから一般質問をいたします。 大きな1番目は、経済の活性化についての中の道の駅についてでございますが、道の駅は、県内の14カ所が登録されております。本市にはまだ登録されておりませんが、いわき市を縦断する国道6号は、東京中央区を起点に仙台市を終点とする一般国道でありますが、この区間は345.5キロメートルという距離になっているようですが、この区間内の道の駅は、平成10年に登録された道の駅ならは、平成14年に登録された道の駅そうまの2カ所になっています。東京からいわき市に至る区間、道の駅は登録されておりません。本市においても、これまで設置の案があったとも聞いておりますが実現には至らなかったようです。地域づくり、まちづくり、地域経済の活性化につながる道の駅について、私も大いに関心がありました。広大な、そして主要な国道6号と49号が縦横に走っているわけですが、いわき市には道の駅が設置されていないこともあって、市民の関心事の一つでもあったと思います。ここに来て道の駅の設置について、市の設置方針がまとまりつつあるというお話も伺いましたので、道の駅の設置について幾つかお伺いをしたいと思います。 1つ目は、道の駅に対する基本的な考え方についてお伺いいたします。 ◎土木部長(佐藤廣君) 道の駅設置に当たりましては、道路利用者の長距離ドライブに加え、高齢者や女性ドライバーが増加する交通環境の中で、1つに、国道や県道などの主要幹線道路を利用する方々が安心して快適に利用できる駐車場やトイレなどが備えられた休憩機能、2つに、近隣の道路情報や地域の文化・歴史、観光名所や特産品などの情報を提供する情報発信機能、3つに、道の駅のネットワークによる地域相互の広域的交流や新しい連携の創出が図られる地域連携機能の3つの機能を基本とし、既存の地域資源を最大限に有効活用した地域住民の参画による地域の魅力が演出できる施設構成を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) そこで2つ目の質問ですが、四倉漁港区域を候補地としたということを伺っておりますが、その理由はどのようなものでしょうか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 四倉漁港区域におきましては、平成10年10月に地域住民が主体となり四倉ふれあい物産館が整備されるとともに、その後、四倉漁港区域の管理者である福島県小名浜港湾建設事務所の漁港環境整備事業により、駐車場、トイレ、多目的広場などの道の駅の基本施設が整備されたこと。さらには、平成18年10月に四倉ふれあい市民会議を初めとした地元関係4団体から、四倉漁港背後地への道の駅設置についての要望があったことなどを受け、当該区域約1.8ヘクタールを道の駅の登録候補地として調査・検討を進めてきたものであります。 ◆23番(古市三久君) それでは、整備の方針についてお伺いしたいと思います。 ◎土木部長(佐藤廣君) 市といたしましては、既存の地域資源を有効活用する方策を取りまとめるとともに、道の駅の登録要件を充足するために必要な道路地域情報提供施設等の整備について、施設構成、運営形態などを勘案し、道の駅の登録窓口である国土交通省いわき国道事務所及び四倉漁港区域の管理者である福島県小名浜港湾建設事務所などの関係機関と協議を行いながら、実現性の高い整備計画を策定してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 4点目については、道路地域情報提供施設の整備についてはどのようなお考えなのかお伺いいたします。 ◎土木部長(佐藤廣君) 道路地域情報提供施設の整備につきましては、これまで、四倉ふれあい市民会議との意見交換において、四倉ふれあい物産館内に設置し、物産館を中核施設として活用する案が示されておりますが、今後さらに道の駅登録に向けた実地調査や、国や県などの関係機関との協議を行い、漁港区域内におけるふさわしい設置場所を検討してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) この道路地域情報提供施設の整備について、ふれあい物産館を基本とするとのお話で進めてきたようなお話もいろいろありますが、あそこの場所は道路の車の出入り、その他いろいろな問題点がございまして、そういうことを整理をするという意味で、もっと違った抜本的な、その考えを変えるべきだというお話もございますので、その辺についてもう一度よく検討していただきたいと思いますが、その辺の御見解いかがでしょうか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、これまで、市民会議との意見交換、さらには、関係団体との協議の中で、四倉ふれあい物産館の施設内ということで案が示されております。今後、登録に向けて、これから関係機関、さらには、地元の皆さんの意見を聞きながら、この漁港区域内にふさわしい設置場所というものを検討していきたいと思っております。 ◆23番(古市三久君) いろいろな市民の意見を聞くというお話がございましたが、四倉町全体の意見集約といいますか、そういうことも含めて、具体的に今後やっていかなければならないと思いますが、その辺の考え方はいかがでしょうか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 今おただしの意見集約の方法でございますが、広く地域住民の方々の意見を反映させるため、四倉地区のまちづくり団体であります四倉ふれあい市民会議のほか、四倉町区長会、四倉町商工会、いわき市漁業協同組合四倉支所、JAいわき市など地域を代表する地元関係団体の方々との意見交換の場を設け、道の駅の登録に向けて、地域が一体となった整備計画というものを取りまとめてまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) ぜひ、四倉町全体の意見集約をした上で設置していただきたいということを、まずお願いをしておきたいと思います。 6つ目の質問は、今後のスケジュールについてお尋ねをしたいと思います。 ◎土木部長(佐藤廣君) 今後につきましては、引き続き四倉ふれあい市民会議や地元関係団体の方々との意見交換を進め、さらに、地区まちづくり計画の策定状況を踏まえながら、道の駅設置に向けた整備計画を取りまとめ、国や県などの関係機関との協議を行い、いわき北部地区の振興拠点となる道の駅の早期登録を目指してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 最後に、市長に、整備に向けた考え方と決意についてお伺いをしたいと思います。 ○議長(藁谷利男君) 古市三久君に申し上げます。 ただいまのは複数質問と認められます。分割してお願いします。 ◆23番(古市三久君) 市長の整備に向けた決意についてお尋ねをしたいと思います。 ◎市長(櫛田一男君) お答えいたします。 本市を代表するような風光明媚な海浜部を持っております四倉は、市内でも非常に魅力的な海岸線であります。そして、道の駅の最初の構想は私が提示したわけでありますけれども、その中で、今議員おただしのどういう形で進めていくかということになりますと、やはり、市民のコンセンサスをまず得なくてはいけないわけであります。さらには、どういう形でやっていかなければ長続きしないかということになったら、ここのところが問題でありますので、今まで長い時間をかけながら四倉の皆さん方に相談を投げかけていたわけであります。そして、ただいまの部長答弁のとおりでありますが、そのほかに、今議場にもおります根本議員、それから大間議員、この方々にも相談に乗っていただきながら進めてきた経緯があります。 そういうことによって、四倉町全体が一つの大きな流れになっていくという期待感があったわけであります。さらには、四倉ふれあい館を中心に市民の方々が、今でもみんな集まってたこ揚げ大会をやる、さらには、四倉のお祭りであるねぶた祭りをやる。あの広場の活用は、まさに地方のこれからの振興には、全く先導的なすばらしい地域であると私は認識しております。 したがいまして、四倉の海を活用した道の駅は、いわき市の情報等を全国に発信することのできるすばらしい場所だと考えておりますので、市民の皆さんもぜひとも一体となって道の駅推進に力をおかしいただき、さらには、ここを拠点としてさらなる発展を望んでいきたいと考えておりますので、ぜひお願いしたいなと、こんなふうに思う気持ちで今まで臨んできておりますので、どうぞ御協力のほどお願い申し上げます。 ◆23番(古市三久君) 今、市長からお話がされたようなことだと思いますが、これらの施設ができるということでは、地域の核が形成されて、道を介して地域連携が促進されるというふうになると思うんです。そして、東京からいわき市の区間の中で初めての道の駅の登録ですから、いわき市の特色と北部地域の目玉になれるような、さらには、いわき市にふさわしい道の駅にしていただきたいというようなことで設置をしていただきたいと要望して、次の質問に移りたいと思います。 2つ目の質問は、いわき市工業振興ビジョンと産業集積についてです。 平成17年3月に、東北経済産業局の報告書、東北地域における「ものづくり企業の成長基盤形成」に向けた産業集積のあり方に関する調査によりますと、本市の産業集積の経緯については、石炭産業から出発して電気・機械・自動車関連、製薬関連の企業進出によって、市町村として東北最大の製造品出荷額になっていると。地域における産業政策、連携組織などの状況については、公的な試験・研究機関として福島県ハイテクプラザが立地されたと。地域内の企業が取引先の大手企業と個別に結びついており、横の連携が進んでいない。地域の強みについては、幅広い加工・組み立て型業種の立地、立地業種が多様化して産業構造変化の影響を受けにくい。最近ではアルパイン、日産自動車の生産が拡大して出荷額が上乗せされている。弱みとして、出荷額の大半が素材型を含む大手進出企業により生み出されている、自主製品を開発して市場化している中堅企業が出荷額の割に少ない、精密加工できる企業が相対的に少ない、受注企業の技術や精度がやや低い、競争がないため受注単価が高い、進出企業と内発型企業との連携、産学官連携が進んでいないと、こういう調査結果が出ております。工業出荷額が順調に推移しているため、地元企業に危機感が薄いということも言われております。 本市は平成13年3月、いわき未来づくりセンターが内発的地域経済活性化基本調査を実施して報告書をつくりました。企業誘致に頼らない地域の経済発展、域内の産業関連を高めると中にあります。こうしたことを踏まえて、平成15年3月に工業振興ビジョンは策定されました。製造業から創造業へというタイトルになっているわけですが、このビジョンの目指すべき将来像に4つの柱があります。この進捗状況はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわき市工業振興ビジョンにつきましては、企業立地の低迷や国内外競争の激化等を背景に、これらに対応できる産業構造への高度化を図るため、平成14年度に策定したものであります。その中で、本市の工業が目指すべき将来像として、議員御指摘のとおり、製造業から創造業へを掲げ、域外からの誘致だけに頼らない内発的な産業活性化を主軸に据えて、地場工業の土台強化、新技術・産業の創出・誘致、ネットワーク強化による総合力の発揮、産業活動とまちづくりの連動の4つの柱を定め、新たな産業政策を展開することといたしました。また、これら4つの柱を実現するために、平成22年を目標年次とし44の工業施策を定め、さらに、その中から優先的に実施すべき12の重点施策を抽出し、計画的に展開してまいりました。 具体的には、1つ目の柱である地場工業の土台強化として、次世代環境対応車両用鉛電池の開発など、産学連携による共同研究への支援や新製品・新技術顕彰制度の導入。また、2つ目の柱である新技術・産業の創出・誘致として、創業者セミナーの開催やいわきパイロットオフィスの整備等による創業者の育成支援、工場立地支援制度の充実。3つ目の柱であるネットワーク強化による総合力の発揮として、産学官連携コーディネーターの配置やいわき産業創造館の整備。4つ目の柱である産業活動とまちづくりの連動として、ISO認証取得への支援などに取り組んでまいりました。 また、重点施策である創造業を推進する機構の設立を1年前倒しし、平成18年5月、産学官連携による内発的な産業振興の中核的な組織として、社団法人いわき産学官ネットワーク協会を設立したところであります。 今後とも、国内外の社会経済情勢や国・県の施策動向等を見据えながら、工業振興施策の見直しを適時適切に行い、効果的な事業展開を図り、本市の産業振興に努めてまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 4つの柱にあるこのネットワーク強化による総合力の発揮の中で、弱点として、市内企業の連携の希薄について指摘されています。産学官ネットワーク協会も誕生したことから、産業連関、産業集積を進めていく条件が整ってきたとは思うのですが、相互に無関係な状態から脱却して、地域の中堅・中小企業、大学及び公的機関等が水平的なネットワークを形成して産業集積を進めて、産業クラスターの形成に取り組むべきではないかと考えておりますが、その辺の御見解いかがでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわき市内には、水産加工業を中心とした食品加工業や福島県が推進しております輸送用機械関連産業のほか、リサイクル関連事業を行っている環境産業など、多様な産業が集積しております。この結果、本市の平成17年度における製造品出荷額等は約1兆700億円で、東北地域第1位となっております。今後は、こうした産業集積を活用し、東北経済産業局や県、社団法人いわき産学官ネットワーク協会などと連携を密にとりながら、有機的なつながりを持つ産業クラスター形成の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 本市は、東北の中で産業クラスターの形成については、一歩立ちおくれているという感じがするわけです。東北では、仙台市、北上川流域、米沢市、山形市、郡山市が先進地域になっているわけです。郡山市は、医薬品、医療用機械・機器関係の移行・連携に今取り組んでいるわけです。本市は、どういうところに力を入れて産業集積するということなのかお尋ねしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) ただいま申し上げましたように、製造品出荷額等が1兆700億円、事業所数で775事業所ございます。この中で、産業クラスター形成が有望な業種といたしましては、非鉄金属、化学関係の企業が多く立地しておりますことから、環境リサイクル分野のクラスター形成が一つ考えられます。これにつきましては、東北経済産業局、県とも同じような意見でございます。 さらに、自動車用のエンジン、さらにはブレーキ、バッテリー、外装部品等の自動車関連の分野がある程度いわき市内にもございますことから、自動車関係のクラスターの形成も他地域と連携すれば可能ではないかと考えております。 さらに、豊富な海産資源、さらには特異な技術を持った食品の加工業者も存在しておりますので、食品加工分野のクラスター、こういったようなものも可能ではないかと考えておりますので、このような業種にねらいを定めて、産業クラスターの形成に結びつくような企業誘致を推進してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) ぜひ、そういうことでやっていただきたいと思うんですが、産業クラスターの形成に向けたこの基礎調査のデータをインターネット等では見られますけれども、まだ非常に不十分な状況にあるのではないかと思うんです。 そこで、基礎調査の実施をするべきだと思うんです。これは企業のヒアリング等を行って、企業秘密とかなどはなかなか出てこないと思いますけれども、データの蓄積が必要だと思うんです。産業集積の状況、物流、材料の流れなど、こうした点を総合的に調査してデータをつくり上げておくことが産業集積につながっていくのではないかと思うんですが、その辺の調査についての考えはいかがでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 本市では、製造業の実態を総体的に把握するため、県・商工会議所及び社団法人のいわき産学官ネットワーク協会と連携しながら、昨年度、いわき地域の製造業に関する調査を共同で進めてまいりました。また、議員が今おっしゃったように、インターネットの中には企業情報データベースとして約300件の企業データを登録して皆様にお示ししております。今後は、市内の産業構造をより深く把握するため精力的に企業訪問を行い、情報収集をさらに深めてまいりたいと考えております。 また、専門的な分野のアドバイスという面に関しましては、市が委嘱しております3名の産学官連携コーディネーター及び域外に4名の産業振興アドバイザーということで、内外の経済情勢に詳しい4名の方をアドバイザーとして委嘱してございますので、その方たちの力、さらには福島県のハイテクプラザにも専門家の方がおりますので、そのような方の意見を参考に、さらに産業集積状況の調査・分析を進めてまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) いろいろそういうことをやっていただくということはいいと思うんですが、そういうデータの問題、例えば、いろんな産業集積とかなんかについて、我々というか多くの方の目になかなか触れないというか、そういうことになっていると思うんですよ。ですから、そういうことをやっぱり出していただいて、いわき市がどういう方向に向かってやっているのかということがみんなわかれば、企業誘致とかにもいろいろな面で非常に有利になってくるのではないかと思いますので、その辺について、ぜひ調査については専門機関に委託をして行うということが一番いいと思うんですが、それはお金の問題がありますので、これについては要望としておきますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。その辺についてのお考えをお伺いしたいと思います。 ◎市長(櫛田一男君) 今、商工観光部長がお答えしたプラスアルファがございます。商工観光部長を中心にしながら、今市内に立地する特色のある企業を抽出しながら、それの連携を図りながら、新しい21世紀型のコンビナート方式みたいなものを現代風にアレンジしながらやっていきたいと、今こんなふうに思っておるところであります。 具体的に申し上げますと、今、レアメタルが世界的に不足している。このレアメタルの部分にもう一回脚光を浴びせながら抽出する方法を考えている会社がいわき市に立地しておりますし、あるいは、食品の部分でも加工品の多くの部分が連携しながらやったらもっともっといわき市のグレードが上がるんではないかという部分とか、それからコンピューターを駆使しながら三次元のプラント設計図をかく会社でありますとか、キーを持たせたら、このキーといっても、かぎは石川五右衛門が土蔵破りするようなかぎから、もう一つは手をかざしただけですべてがロックできるようなすばらしいかぎとか、あるいはいわき市にはそういった特色のある企業がいっぱいございますので、これらを連携させながら企業誘致の道具にも活用していきたいと思っておるところであります。 ◆23番(古市三久君) ぜひ、そういう方向で21世紀に向けて、1兆円の製造品出荷額があるからとあぐらをかいていないで、さらにまたそういう産業集積、産業クラスターの形成に向けて、ぜひしっかりとやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。 それで次は、大きな2つ目のトンネル工事についてですが、粉じんによる健康被害についてお尋ねをしたいと思いますが、県道上三坂・小野線、泉町本谷地内にある泉トンネルは、トンネルの断面拡幅化のため、県は平成17年12月10日から掘削工事を始めました。地盤工学会から優良工事として受賞しているような工事でございまして、大変難しいといいますか、そういう工事でもあったようになっております。 この中に、掘削ずりから重金属類の長期的溶出も懸念されて、迅速法の溶出試験を行って、環境への影響を防止するための予防措置を実施をしたということもあります。粉じんが外に排出されたことによって、重金属類による環境汚染があるのかないのかも、大いに懸念されるところだと思います。 この工事によって、トンネルの南側の入り口の下に住む住民が、この工事の排気口を南側につけた関係で、そこから排出された粉じんによってじん肺と見られるような健康被害が発生しています。そこで、市は付近の住民の健康被害を調査をすべきと思いますが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(木村清君) 議員おただしの件につきましては、現在のところ健康相談などの窓口となる保健所に対し、本人及び周辺住民の方から相談などの情報は寄せられておらず、健康被害の状況は把握してはございませんが、今後、その情報収集等に努めますとともに、県の動向を見きわめながら対応してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) じん肺やこのアスベストの障害というのは、10年とか20年以上たってからあらわれるというようなことが言われておりますので、この健康被害の発生をした方も、子供と大人ではその発症にタイムラグがありまして、そういう意味では、付近の方々が何年後あるいは何十年か後に、そういう問題が出てくる可能性は十分に考えられると思うんです。そういうことで非常に重要な問題だと思います。そこで次に、この粉じん対策はどのように行われたのかお尋ねしたいと思います。 ◎土木部長(佐藤廣君) 泉トンネル工事は、福島県が事業主体となり、主要地方道いわき上三坂・小野線の泉町における現トンネルを拡幅することにより、歩道を設置し、交通安全対策を図る事業として、今年度の完成を目指して鋭意進めております。 トンネル工事における粉じん対策につきましては、平成14年3月改訂の厚生労働省推薦の建設業労働災害防止協会による、隧道等建設工事における換気技術指針において、トンネル坑口に住居が近い場合、地域住民への粉じん等の影響について十分な配慮が必要であるとされております。県によりますと、当該トンネル工事においては、坑口に住居が近いため、当該指針に基づき配慮が必要であるとの判断から、シャワーで排気を洗浄する粉じん低減装置を設置し、対策を図ったと伺っております。 ◆23番(古市三久君) そのシャワーにより洗浄するということは、いわゆる粉じんを、どのぐらいの長さ、区間をシャワーしたかということについてはわかりますか。 ◎土木部長(佐藤廣君) その粉じんの風管をどれくらいかというと、トンネルが234メートルございますので、その中で動かしながらというふうに認識をいたします。 ◆23番(古市三久君) その粉じん対策には、そのシャワーのあとにフィルターというのはついているんですか。 ◎土木部長(佐藤廣君) あくまでも、風管の中で水をシャワーのように出して、それで外に排出するような形でありますのでフィルターは通していない。 ◆23番(古市三久君) この粉じん対策を選択した理由というのはどういう理由だと県は言っていますか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 県によりますと、粉じん低減装置には、1つには、粉じんを帯電、電気を帯びさせて集じんさせる電気式という方式がございます。2つには、粉じんをフィルターを通して集じんさせるろ過式。3つには、粉じんを水に通して集じんさせる湿式の3つの種類がある中で、泉トンネル工事は、一般車両を通しながら、既存トンネルを壊してトンネルを拡幅する工事のため、施工空間が狭い現場条件に適した構造であること、また、高い集じん能力を備えていることなどを考慮し、シャワーで排気を洗浄する、いわゆるシャワー方式粉じん低減装置を採用したと伺っております。 ◆23番(古市三久君) これは入り口と出口といえば、切り羽というところと外の排気口ですね。そこの粉じん濃度の除去率はどの程度だったんですか、いわゆるこの装置は。 ◎土木部長(佐藤廣君) このトンネル工事における坑内での粉じん濃度の測定は、国土交通省大臣の官房技術調査課監修の土木工事安全施工技術指針に基づいて測定しておりますが、先ほど申しましたように、この坑口における粉じん量については、指針それから指針等による規制の基準がないということで測定はしていない状況にございます。それにかわるものとして、粉じんの低減装置を設置して、排気に含まれる粉じん量の低減を図ったということでございます。 ◆23番(古市三久君) トンネル工事のじん肺の問題というのは、非常に全国的な問題になって訴訟もあります。それで各県の土木事務所などは、じん肺にならないように非常に気を使って、いろいろな会議とか研修とかをやっているわけです。今の答弁であったように、そういう指針がないから測定していなかったというようなことではなくて、例えば、トンネルの中の工事とトンネルの外のところでの粉じん相対濃度測定というようなことを安全性から見てしなければならないと思うんですよね。そういうCPMとかって単位があって、相対濃度、つまり切り羽と外にある排気口のところの濃度がどの程度除去されるのかということについて、やっぱりしっかりと検証をしておかなければならないと思うんです。その辺についてはこれどうなんですか、相対濃度測定というのはしていたんですか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 先ほど申しましたように、トンネル工事によって外部に排出する粉じん量については、規制する基準がないということでございます。それでトンネル坑口に住居が近いということから、この平成14年3月改訂の建設労働災害防止協会による隧道等の建設工事に係る技術指針に基づきまして、地域住民への影響について十分配慮をすることとされていることから、県において坑外に排出する粉じん量を粉じん低減装置によって低減して、排出粉じんの大気拡散の防止を図ったとこういうところでございます。 ◆23番(古市三久君) これ低減はどれくらいされたんですか。低減するということでやるということが書いてありますよね。この装置はどのくらい低減する装置だったんですか。例えば、切り羽で100%の粉じんがあったと、それが出口では90%除去されたのか、70%除去されたのか、そういう低減というのはどのくらいなんですか。それはそういう指針がないにしても、一番いいのはゼロですけれどもゼロではないと思うんです。だからその辺についてはどうなっているんですか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 県によりますと、シャワーで排気を洗浄するこの粉じん低減装置は非常に浄化の高い粉じん低減装置とうかがっております。ですから、90%以上の低減がされているものと考えております。 ◆23番(古市三久君) いわゆる今の粉じん装置は、ある会社のは高圧の噴射装置の後にフィルターが1つ2つ3つ、1つの場合もあるし、2つの場合もあるし、3つの場合もあります。3つの場合で約95%の除去率なんですよ。ですから、高圧水を噴射をして簡単にこの粉じんが除去されるということはないと思うんですよ。これは専門家に聞くとわかると思います。 この問題提起がなされて、この南側にあった排気口を県は直ちに北に移したわけです。問題がなければ別に移す必要がないわけです。しかしながら、北側に移したということなので、北側も多分出たと思うんです。トンネル工事というのは、岩石を崩すのと、中のコンクリートを噴射する、その両方で粉じんが出るわけです。どちらが粉じんが多いのか、岩石の質とか何かの問題もあるかと思うんですけれども。だから、そういう意味では、最初から最後まで、これは粉じんがずっと出ていたと思うんです。 周りの人というか滝尻のずっと先の方の人に聞くと、その排気口のところはもやがかかったぐらいに見えたと、こう言われているわけです。ですから、そういう意味では、犬がくしゃみをしたと、その次人間がくしゃみをして、それがぜんそくの症状が出たと、そういうふうなことになっておりまして、このじん肺になると、肺の中に入ったものはもう取り除くことができないわけです。ですから、治療は対症療法でしかないと。そういう非常にこの大きな問題が発生しているわけです。この工事の責任は、例えば、市がこういうことをやったときには、この工事の設計・施工・監督の責任というのはすべて市にあると思うんですけれども、そういうふうになりますかならないんですか。 ◎土木部長(佐藤廣君) いわき市も現在新設するトンネル工事を控えております。こういった泉トンネル工事と同様に、トンネル坑口に住居が近いということで、この粉じん低減装置を設置する計画でおります。 仮のお話でございますけれども、個別法での救済というか、一般論として言えることは、明らかにその工事等の施工に起因して工事現場周辺の住民の方々に何らかの健康被害が発生したとした場合、因果関係が認められる事例においてその損害賠償が求められるものと考えております。 ◆23番(古市三久君) これから市がトンネル工事をやるということですから、ぜひ粉じん対策はしていただきたいと思うんですけれども、これ因果関係というのは、例えば、被害者が立証しなければならないのですか。今はそういうふうになっているんですか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 個別法での救済方法ということはないということになりますので、民法の不法行為による損害賠償というものが規定されているわけでありまして、被害を受けられた方が仮にいるということになれば、企業者、請負業者に対して、民事訴訟法に定められた手続によって、前段申しました損害賠償請求というものができるものと考えております。 ◆23番(古市三久君) 何でこれ業者がやらなければならないんですか。粉じん装置を設計をして、そして施工をして監督したのは県じゃないですか。その粉じん装置から粉じんが出たということであれば設計したところが悪いんであって、また設計どおりにやらなければ業者が悪いということがありますけれども、そういうことからしたら、すべて県にあるんではないかと思うんですが、いずれにしても時間がありませんからあれですけれども、このトンネルの中の工事の労働者は労災適用になるわけです。周辺住民にはいわゆる救済の何かそういう法律があるんですか。 ◎市長(櫛田一男君) お答えいたします。 このトンネルにつきましては、後田のトンネルと泉のトンネルは福島県の土木部の技術者が技術の粋をもって遂行するということで、私も当時県会議員の一員としてこの話に参画をしながら、特に泉トンネルの場合は現在あるトンネルの中にセントルを組んでその外側を掘っていく工法だから、いわゆる今議員おただしの問題が派生するやもしれませんということで、この辺のところはきつく申し入れをしておりましたので、それによって湿式による粉じん除去を考えたものと思います。湿式というのはぬらすわけでありますので、粉じんは乾燥しているときにほこりになって外に出るわけでありますから、この辺は検討してもう十分意を尽くしてやったものと想像しております。 したがいまして、じん肺ありきからの議論ではなかなかかみ合いにくいものではないかと思いますので、市の発注するトンネル工事につきましては、議員おただしのようなことがないように万全を期して工事を進めていく所存であります。これは県の方でありますから必要に応じて県の方にも問い合わせをするのは当然でありますけれども、この辺のところかなとこう思っております。 ◆23番(古市三久君) 市長の言わんとすることはよくわかりますけれども、問題は、市民がこういう被害に遭っているわけです。したがって、市がどういうかかわりを持つのかというのも重要な問題なんです。私は、県は粉じん対策、これ非常に難しい工事だったわけですよね。だから、この粉じん対策も非常に難しいというか、よくやらなかったということが、こうした問題を発生したと思うんです。私としては、こういうことに対し、市はきちっと調査をすることと、市が工事をするのであればこういう問題が発生しないようにということについて、まず申し上げておきたいと思うんですが、いずれにしてもこういう問題があったということを私は明確にしておきたいと思います。時間がなくなりましたので、次の質問に移りたいと思います。 市営墓園についてですが、永代供養についてお尋ねをしたいと思います。 今般、市営墓園の募集がありました。市民の方から永代供養のお墓についていろいろお話がございました。今日的な社会情勢、高齢化社会、少子化・核家族化に伴って墓地の継承者がいない家族や将来継承者がいなくなるということで不安を持っている方が非常に多くなっているわけです。 今、新しい永代供養のシステムが求められているということが言われておりますけれども、ある調査によれば、遺骨はお墓以外が4割と言われているそうです。背景には、子供が少なく墓守をする人がいない、残された家族に迷惑をかけたくない、嫁ぎ先の墓に入るのは気が進まない、お墓に対する価値感が大きく変化をしているということだと思うんです。永代供養が求められている理由として、お墓を建てたいが家督を継ぐ長男がいない、お墓に高額な費用をかけたくない、残された家族に迷惑をかけたくない、シングルなので永代供養墓を探している、夫婦だけの家族なのでお墓が必要でなく永代供養墓を探している、お墓の維持・管理が大変なので永代供養墓を探しているということだそうです。 そして、求められている永代供養墓は、宗旨・宗派・国籍を問わない、檀家にならなくてもよい、寄附行為がない、いつまでもお参りできる、個人の遺骨といつでも会える、価格が良心的であると、こういうような条件が求められているそうです。 こうした社会情勢の変化に対応した永代供養墓を、白土墓園あるいは東田墓園に設置をしてはどうかと思いますがいかがでしょうか。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) ただいまお話がございましたように、少子・高齢化の進展等によりまして、具体的には単身者だとか子供のいない夫婦がふえてきている、あるいは、子供がいても近くにいない遠方だという方々がふえていると、こうしたことを背景といたしまして、墓地使用者の承継が困難となるなどの事例が市内においても生じてきているものとは認識いたしております。 現在、市営墓園におきましては、使用者を定め、それぞれの墓地を御利用いただいているところでございますけれども、いわゆる永代供養墓、公営の場合は合葬式墓地というような言い方をするのが一般的だそうでございますけれども、そのあり方につきましては、民間の寺院等の設置状況やあるいは他市の状況等も含めまして、今後調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) そこで、東田墓園の増設計画が近々ありますよね。しかし、ここは土地といいますか、制限があって市民の要望にこたえられるほどの増設ということができないと言われておりますが、これ永代供養墓をつくって、希望者には永代供養墓で救済してはと思っているわけです。というのは、現在そこにお墓を持っている方でも、永代供養墓ができればそこに移転したいという方も出てくる可能性があると思うんです。そうすると、その空いたところをまた販売することも可能なので、その辺についていろいろ調査・研究するということをおっしゃいましたので、調査・研究をしていただいて、東田墓園について、もしできるんであればやっていただきたいと思うんですが、それについていかがでしょうか。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 東田墓園につきましては、墳墓の増設工事を、実は今年度予定いたしているところでございますけれども、前年度行いました南白土の墓園におきましても、実は応募者数が非常に多かったという状況もございまして、そのいわゆる永代供養墓というようなものについて可能かどうかということについては、ただいま申し上げました研究の中で十分検討させていただきたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) それでは、そういうことで速やかに調査・研究をしていただきたいと要望して、次の質問にしたいと思います。 大きな4番目は、港、海岸と河川についてですが、河口・港の閉塞と海岸侵食についてお尋ねをしたいと思いますが、5月25日の朝刊に、いわきの海岸に異変、砂浜変化不安隠せずという緊急のリポートが載りました。この問題に対する市民の関心が大きくなっているということの証左だと思います。4月に横川の沿川付近に住んでいる方からお話を伺いました。夏井川河口が閉塞してもう6カ月が過ぎたと、河口は膨大な砂が堆積していると、雨季の被害が心配されるというお話を伺いました。私は、5月10日に隣の県の地域保全グループに伺って、県の考え方を聞いてみました。夏井川の河口閉塞は、堆砂の高さを灯標ポイント3.5メートルの高さで管理していると、その範囲であれば治水上問題ないんだということを言っているわけです。したがって、河口閉塞をしたからといって堆砂を直ちに除去する考えはないと。私はこの考え方を初めて聞いたわけです。この考え方を付近住民の方に話してあるんですかと聞いたら、話してあるということだったんです。河口閉塞の解決方法はと聞いたところ、夏井川の閉塞の解決方法は、夏井川の河川改修が100%になれば解決をするのではないかと、その間、便宜的に3.5メートルで管理をするということのお話でした。 このとき、河口閉塞の原因、海岸侵食の原因についての調査についても聞いてみましたが、調査はしていないという話でした。新聞報道にもあるように、県は、これらの事象に口をそろえて原因不明と言っておりますが、市はこうした事象の原因解明をする責任の所在はどこだという認識なんでしょうか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 河口、港における堆砂や海岸侵食の発生メカニズムの究明につきましては、河口や海岸保全区域、港湾区域、漁港区域等の管理者である県において行うものであると考えております。 ◆23番(古市三久君) これ、県だと思うんです。市はこれらの事象について、県は全くこの原因解明はしていないという認識なんですか。それともやっているんだけれども教えてもらえないという認識なんですか、どっちなんですか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 県におきましては、毎年その海の汀線、汀線というのは海面と陸地が変わる線のことを汀線といいますが、この現況調査は行っていると。しかしながら、この河口閉塞、それから海岸侵食の発生メカニズムについての調査・解析は行っていないということでございます。 ◆23番(古市三久君) 市はどういう考えなのかお聞かせをいただきたいと思うんですけれども、この河口閉塞と海岸侵食、それから四倉港の閉塞について、県に解明するように文書で申し入れるべきだと思うんですがいかがでしょうか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 先ほど御答弁申し上げたとおり、第一義的には海岸保全区域、それから港湾、それから漁港、こういった管理者である県が原因究明をすべきものと考えております。市といたしましては、この人工開削とか、開削してもすぐに閉塞してしまうというこの河口閉塞につきまして、早期の原因究明とその対策が図られるように、議員御指摘のとおり県に対して要請してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 新舞子ビーチが、台風といいますか高波で壊されました。24メートル短くしてつくり直すといいますか、修理をするようですが、これを聞きましたら短くなって幸いしたって県は言っているんです。何で幸いしたかよくわかりませんけれども、それによって流れが変わってよくなっていくんじゃないかというようなことを言っているわけです。これは、最初はどうだったんだというようなことで疑問に思うわけですけれども、そういうようなことも県は言っているわけです。県は、これらの事象に対して、幾らぐらい事業費を使ってやっているんですか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 議員御指摘の河口・港の閉塞と海岸侵食に対する対策費といたしましては、過去3年間でございますけれども、平成16年度で約5億3,400万円、平成17年度で5億9,600万円、平成18年度で4億7,900万円をこの3つの対策費として事業費がかかっていると。 ◆23番(古市三久君) この夏井川の河口閉塞について、先ほど3.5メートルということを言いましたけれども、県は、堆砂が灯標ポイントで3.5メートルまでは影響ないと、つまりあの付近には影響ないんだというようなことを言っているわけです。つまり、それ以上の水が出てくると要するに砂が海に流されて、河口閉塞が解消できるという認識だと思うんですけれども、これ河口閉塞というのは一般的には正しいことではないですよね。市はこの点についてどういう認識をお持ちですか。 ◎土木部長(佐藤廣君) 夏井川の河口閉塞における今の状態でございますけれども、毎年河口閉塞については一般的に人工開削をすることによってもとどおりになるわけですけれども、ことしの閉塞状態につきましては、いろいろな要因を考えておりますけれども、昨年の秋に発生した台風12号、それから低気圧の豪雨、こういったその暴風とか波浪によって堆積したものと判断して、それ以降ことしまで12回の人工開削を実施して、その河道の回復を図ってきたところでありますけれども、ことしに入って前段申しましたとおり河口閉塞が続いていると。例年ですと春になると元どおりに開通するところが、人工開削してもすぐに閉塞してしまうという状況にあって、例年にない砂浜の形状変化じゃないかということも新聞等で書いてございますが、原因究明にはまだ至っていないということでございます。 したがいまして、市といたしましては、早期の原因究明、それから対策、こういったものを要請してまいりますけれども、現状のまま河口閉塞が続くということになりますと、やはり市民の安心・安全と自然環境の配慮の観点から、早急にこの人工開削というものを対応していかなくてはならないという考えを持っておりますので、人工開削というものをこれまでのとおりやっていただきたいというふうに要請していきたいと思っております。 県としては、5月1日、2日に一度やっておりますけれども、今後まとまった雨量が予測されるタイミングに合わせて、再度河口の人工開削を行って、流水の力をもって河道の回復を図っていくと言っております。先ほど答弁した中で、開削の昨年度の回数12回、これは10月以降に12回ということで、平成18年度では21回夏井川の河口の人工開削は行っております。 ○議長(藁谷利男君) ここで、午後3時50分まで休憩いたします。            午後3時40分 休憩            ----------            午後3時50分 開議 △高橋明子君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。22番高橋明子君。          〔22番高橋明子君第二演壇に登壇〕 ◆22番(高橋明子君) (拍手)22番日本共産党の高橋明子です。これより一般質問をいたします。 住民税の納税通知書が市民の方たちに届きました。市は、市民の方たちに税源移譲による住民税、所得税の合計負担額は変わらないと説明のチラシを配布しました。そして、定率減税の廃止で負担額は変動するとも書かれていましたが理解できるものではありません。多くの市民の方たちも納得がいかず、市役所に問い合わせの電話をよこしたり、直接出向いてきては説明を受けたりしているわけです。今回の増税は、自民・公明政権が決めた定率減税の廃止による影響が一気に噴き出ました。 平成17年度に3万3,000円だった住民税額が平成18年度7万3,000円に増加、今年度11万2,000円の通知という高齢者の方がいます。税制改正によりサラリーマン世帯の増税も大変だと思います。しかし、一番大きな影響を受けているのが高齢者ではないでしょうか。年金収入は変わらないのに住民税非課税から課税になり、そのことから、介護保険料・国保税の値上げにまで連動しました。高齢者いじめはこれだけでとどまりません。医療改正では医療費の一部負担金や自己負担限度額が引き上げられました。入院している高齢者の食費・居住費分を自己負担としました。一連の改正は、高齢者の暮らしと命を直撃するものです。 さらに、昨年6月成立した医療改革法も75歳以上の高齢者いじめになっています。この制度のねらいは医療給付費の伸びを抑えることにあります。2025年までに医療給付費を8兆円削減するとしています。患者負担引き上げで1兆円、医療機関の収入を減らす仕組みは診療報酬の引き下げで1兆円、生活習慣病の予防対策で2兆円、病院入院日数を短縮しベッド削減で4兆円、計8兆円になります。これらを実行するために医療保険制度を都道府県単位運営にし、医療費適正化計画の作成・実施を義務づけました。 生活予防習慣病の予防対策では2兆円減らす計画ですが、達成のための目標値を位置づけ、達成できなければペナルティーが科せられます。大変な内容になっています。私は今回、特定健診について質問いたします。 指導の対象は、40歳から74歳までの保険加入者とその家族です。現在、市民の基本健診は、老人保健法に基づいて行われております。伺いますが、来年4月から行われる特定健診はどのように変わるのかお伺いしたいと思います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 平成18年6月に公布された健康保険法等の一部を改正する法律において、現在の老人保健法が改正され、高齢者の医療の確保に関する法律として平成20年4月から施行されることとなっております。 このことに伴い、現在、市などが行っている基本健康診査については新たに特定健康診査となり、国民健康保険など、各医療保険者に実施が義務づけられております。対象者は40歳から74歳までの保険加入者及びその扶養者であり、糖尿病等の生活習慣病の発症や重症化の予防を目的とした特定健診及び健診結果に応じた特定保健指導を実施することになります。 ◆22番(高橋明子君) 部長、伺いますが、今までの老人保健法でやられたのと、特定健診とのものでは、健診の項目あるいは自己負担の額、あるいはその後の結果の食事や運動の指導とか、そういうのはどのようになるのでしょうか。 ○議長(藁谷利男君) ただいまの質問は完璧に複数質問と認められます。分割してお願いします。 ◆22番(高橋明子君) じゃ、すいません部長、健診の項目は変わりますか。 ◎保健福祉部長(木村清君) 健診の項目についてでありますけれども、項目としての見直しが予定されておりまして、腹囲計測及びLDLコレステロールを新たに追加し、総コレステロールや潜血、血清クレアチニンを削除することとなっておるようです。 ◆22番(高橋明子君) そうしますと、現在行っている基本健診への影響はどのようになるのでしょうか。 ◎保健福祉部長(木村清君) ただいまの項目にも若干の相違はあるものの、市民の疾病予防や健康増進を図る上では有効な健康診査であると認識しております。 ◆22番(高橋明子君) 自己負担額などはどのように変わりますか。 ◎保健福祉部長(木村清君) 現時点では、まだ確たるものは承知しておりません。 ◆22番(高橋明子君) 伺いますところ、今40歳から74歳とおっしゃいました。これまで、いわき市の基本健診は30歳以上の方たちからになっていると思います。30歳以上の健診は引き続き行うべきだと私は考えますがいかがですか。 ◎保健福祉部長(木村清君) これまで、市における基本健康診査は、老人保健法に基づき40歳以上の方を対象に行ってきたほか、市民の健康づくりのために、30歳から39歳までの方についても単独事業として実施してきたところであります。平成20年4月からの高齢者の医療の確保に関する法律施行に伴い、特定健康診査として、40歳以上の方を対象として各保険者に健診の実施が義務づけられることになりますが、対象外の受診については、市民の健康づくりの観点から、受診機会の確保について検討していく必要があると考えております。 ◆22番(高橋明子君) 大きな変化は余りないかなとは思うんですが、私は、今までのいろいろな病気の早期発見を目的とした老人保健法に基づくこの基本健康検査が廃止されて、メタボリックシンドロームを見つけ出す特定健診に限定しようという内容になっているわけですけれども、厚生労働省は、生活習慣病とは不適切な食生活・運動不足・喫煙などで起こる病気と定義して、自己責任によることを強調しているようです。しかし、生活習慣病は、遺伝的に罹患しやすい、あるいはしにくい、個人差がいろいろあるそうです。おのおのの生活を振り返ると、三度三度の食生活がきちんととれる労働環境になっているとか、あるいはそれに伴う運動不足など、今の社会を反映しているものが大いにあると思います。一人一人健康に注意することも大切だと思いますが、ぜひ市民の健康を守る施策を後退させないということで、いわき市ではこれからもやはり30歳からということを念願しながら、次の質問に移らせていただきたいと思います。 子供の眼科健康診査について伺います。 大阪市立小児保健センターで、長年にわたって6歳までの視力検査の必要性を訴えてきた小児眼科の湖崎先生という方がいらっしゃいますが、この方は、6歳という時期は子供の感性を含めて、視力・聴力・知能などにとても大切なときです。特に視力の問題は3歳でも早過ぎることはありません。できるだけ早期に障がいを発見し治療をして、しっかり視力を発達させることが大切ですと述べております。 私たち親は、子供の視力というと近視が一番気になるところですけれども、そうではないのですね。遠視が一番トラブルを起こすので、遠視は諸悪の根源ぐらいに医師は思っているそうです。近視で生まれる子供はいません。0歳から2歳まで遠視52%、乱視26.0%、ほとんど先天性です。皆さんも、生まれて間もない赤ちゃんは明るい方を見るというのは御存じだと思います。生後3カ月ぐらいになると首も据わり、あやすと笑ったりするので目も見えているだろうと思ってしまいます。ところが、視力の発育は、生後3カ月で0.01から0.02で、1歳でようやく0.2から0.25になり、3歳から3歳半で3分の2の子供が1.0になるそうです。平均は0.7から0.8、生後3歳ぐらいまでに伸びる子はどんどん伸びていって4歳か5歳で1.0、完成するそうです。色に対する認識は6歳から8歳で、8割ができ上がるそうです。二つの目で物を見る働きを両眼視といいますが、この働きも4歳から5歳ででき上がる。目の働きの発育は6歳までが勝負だそうです。その中で、いかに早く目の発育異常を見つけて手だてをするか、3歳でも早過ぎることはないということだそうです。 お伺いしますが、乳幼児健康診査に3歳児健康診査があります。この健診で行われています眼科健診、どのようなやり方で行われているかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(木村清君) 3歳児健康診査における眼科健診につきましては、視力や視覚異常の早期発見のため、問診や小児科医師による診察を実施し、その結果、精密検査が必要とされた幼児に対しましては、指定の眼科医療機関において公費負担により検査を実施しているところでございます。 ◆22番(高橋明子君) 今おっしゃった3歳児健診は、保健師さんにお聞きしましたところ、この視力をはかるこれとそれから調査票をお届けして、うちではかってくるようにというやり方をして、問診の中身で、はい・いいえで答えるというやり方でやるんだという報告を受けました。この健診方法で、例えば、精密検査を必要とする子供はどのくらいおりますか。 ◎保健福祉部長(木村清君) 平成18年度の実績で申し上げますと、3歳児健診の受診者2,885人のうち、精密検査が必要とされた幼児は23人となっております。検査の結果、そのうち異常ありが13人、異常がないと言われた方が10名となっております。
    ◆22番(高橋明子君) 今、皆さんにお見せしたこれは何ていうかといいますと、ランドルト環といいます。子供に、こういうふうにしてどっち見えるといったら、手でどっち見えるこうとかというふうに聞くわけですけれども、浜松市の医科大学の眼科の先生は、家庭での視力検査でどこまで異常が発見できるか問題だと、検査自体なれないと難しいが、特に、片目だけ視力の悪い子の場合は、隠し方が悪いと良い方の目で見て答えてしまうから異常が見落とされてしまうことがある、こういうふうに話されているのを見ました。3歳でも早過ぎることはないと言われる視力の発育に大切な3歳児健診のとき、やはり眼科の先生や視能訓練士の方が立ち会う必要があるのではないでしょうか、お尋ねします。 ◎保健福祉部長(木村清君) 3歳児健康診査の集団検診におきましては、小児科医師、歯科医師、保健師、栄養士、歯科衛生士がそれぞれの分野で診察や指導に当たっており、その中で、眼科の精密検査が必要とされた幼児については、公費負担により、指定の眼科医療機関において実施しているところでございます。 ◆22番(高橋明子君) 母子保健マニュアルにも、やはり眼科医がいるところ、眼科医が会場にいる場合の検査の方法と眼科医がいない場合の検査の方法が書かれております。親たちが持ってきた結果を見ながら、そこでこういう方法があると書かれておりますが、やはり、そこに視能訓練士の参加が得られればなおよいと書かれているわけです。やはり、そういうふうに眼科の先生とか視能訓練士の方がいることによって、確かな目の異常が見つかるのではないかなと私は思います。 今、おっしゃいました3歳児健診、やはり健診というのは、大きくなるとなかなか行くのがおっくうになったりとか、小さいときはせっせと100%近い親が行くわけですけれども、やはり3歳児健診になると受診率が下がってきます。健診に来なかった子供に対してどのような対応をしているか伺いたいと思います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 健診に来ない場合には、次回の健診日程の案内はがきを送付して受診を誘導し、それでも健診に来られない場合は、電話連絡や家庭訪問などにより受診を勧奨しております。 ◆22番(高橋明子君) 私は、この3歳児健診で、両方の目でしっかり物をとらえて見る視力を獲得する必要があると思います。やはり遠視は、遠くもピンぼけ、近くはさらにピンぼけという状況になるわけです。遠視は、眼鏡で矯正しなければ見える経験がないまま成長して、視力が出ない弱視になります。学校で黒板の文字が見えても教科書やノートの文字が見えない子供がいると聞きます。すなわち、遠くは見えるが近くが見えない子供、この子はやはり3歳児健診で見つけることができなかった。また、学校に入る就学時の健診でも見つからなかった子供、遠くが見えにくい子供と遠くも近くも見えない子供は、通常の視力検査でわかるわけです。そして、精密検査を受けることもできます。 お伺いしますが、学校の視力検査で、遠くは見えるが近くは見えにくい子供を見つけることができますでしょうかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 小・中学校では、学校保健法に基づいて、毎年、定期健康診断時に視力検査を実施しておりますが、検査の結果、視力が1.0未満の児童・生徒については専門医の受診を勧めております。 また、おただしの近くが見えにくい子については、保健調査票並びに児童・生徒、保護者からの申し出等によって把握し、検診時に学校眼科医に相談するなどの対応を行っているところでございます。 ◆22番(高橋明子君) 学校の検査では見つけることは難しいんです。近くを見る視力、私も初めて知ったんですが、近見視力というそうです。学校では、遠くを見る、そういう視力しかはからないわけです。要するに、黒板の字が見えればいいというだけなんです。遠くを見るときより、近くを見るときの方が調節力が必要だそうです。近くが見えない子供は、勉強、パソコン、本読み、手元の作業時間の眼精疲労は物すごい大変なものだそうです。その近見視力不良の子供、近くを見ることが厳しい子供は、視力に問題があるのに学習能力や運動能力がない、努力が足りないと思われている子供がいるそうです。 目の発育は6歳ごろで終わります。最後のチャンスは就学時の健康診断です。義務教育開始前の全幼児が対象になるわけです。すべての5歳児がこの近見視力の検査を受けることができるのです。ぜひ、就学時の健康診断で近くを見る視力、その近見視力検査を導入してはいかがですかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 子供たちが、入学後、より充実した学校生活を過ごせるよう、学校眼科医等のアドバイスをいただきながら、ただいまおただしがありましたその検査方法等について検討してまいりたいと考えております。 ◆22番(高橋明子君) 教育部長、簡単にできるんですよ、簡単に。これは、5メートル先にランドルト環というこれをやります。それは、遠くを見る目をはかる場合なんですよ。近くを見るときは、これ30センチのところではかることができる、それで近くが見えない子供を見つけることができるそうなんです。ここに書いてあるんですけれども、30センチの距離で検査するため、近見視力検査に使うランドルト環の大きさは、遠くを使うときは5メートル・30センチなんですけれども、こっちは小さくして50センチの3センチ、子供は見えないと近寄ってきますから、正確に30センチの距離を維持してはかると、近くが見えない子供というのが見つけることができるそうです。 ぜひ、これから快適な学校生活を送るために、もう子供一人一人にパソコン導入されるわけです。この近見視力は絶対に必要な視力になってくると述べています。すべての子供が快適な学校生活を送ることができるように、この視力検査をぜひ就学時のときの視力検査に導入していただきたいと強く要望いたします。 次の質問は、市立病院等についてです。 日本共産党中央委員会が、この2月17日から3月10日までにかけて全国病院アンケート調査を行いました。全国に約9,000施設がありますが、これに近い数を郵送し、47都道府県の724病院から回答が寄せられております。アンケートの質問項目の一つに、病院の運営・経営について一番苦労しているのはどんな点ですかというのがあります。看護師不足が69.1%、医師不足が68.5%と、看護師不足が医師不足より上回っています。また、看護師不足解決のために国や自治体が力を入れるべき対策では、手厚い看護体制、待遇改善のための診療報酬の引き上げが59.1%です。続いて、看護学校の定員増など養成対策の強化が50%でした。 これらを踏まえながら質問いたします。看護師配置の適正化についてです。 昨年から始まった患者7人に対し看護師1人配置をめぐって、看護師争奪戦と言われる状況が起きていると耳にします。いわき市は平成21年度に7対1配置基準を導入する計画です。団塊の世代の退職も大きく影響すると思われますが、採用計画は逐次的確に練り上げていくと議会でも答弁されています。共立病院は、これまで運用ベッド766床で、7対1の場合、病棟看護師は560人必要と述べています。昨年、32名の看護師を募集し、ことしは45人募集です。私の単純な計算では、45人全員採用されたとして、退職者を考えず、あと57人必要です。平成21年度導入までどのような対応になりますか伺います。 ◎病院局長(鈴木正一君) いわゆる7対1の看護基準につきましては、議員お触れになりましたとおり、相当数の看護師の確保が必要となりますことから、市といたしましては、市立病院の病棟・病床の見直しや看護師配置の適正化を図りながら、計画的な看護師の採用を行うことにより対処してまいりたいと考えてございます。 なお、この7対1の看護基準につきましては、平成18年4月からの導入に伴い、全国的に看護師が不足している事態に対応するため、国の中央社会保険医療協議会から本年1月に提出されました建議書を受け、現在、国において平成20年4月に診療報酬の見直しを行う方向で検討が進められているところでありますことから、それらの動向も注視してまいりたいと考えております。 ◆22番(高橋明子君) 具体的な採用計画というのが出されず、病棟とかそういう見直しを図りながらの採用ということをおっしゃいました。7対1の手厚い看護師配置というのは長年の関係者の願いだったと思うんです。この7対1にすることによって、看護師の過密労働を解消して離職を防ぐことにもなるわけです。患者さんもためらわずナースコールを押すことができるわけです。導入までまだ3年あるわけですけれども、その間、やはり体制は今と同じような体制で、看護師さん大変だと思うんですが、7対1の基準になるまで看護職員の職場の定着対策はどのように考えているのかお伺いいたします。 ◎病院局長(鈴木正一君) 看護職員が継続して勤務するためには、専門知識や技能の修得・向上のほかに、働きやすい環境を整備することが重要であると認識してございます。このため、看護基準に基づく適正配置とともに、職場研修の効果的な実施や職員相互のコミュニケーションを図る機会の創設、そして福利厚生事業の充実と子育て支援の一環として院内保育所の見直しを検討するなど、働きやすい環境づくりに努めているところであります。 ◆22番(高橋明子君) やはり、アンケートなんかを見ますと、業務量改善とか、夜勤の回数を減らすとか、そういう形で働きやすい労働環境をつくるというのが出ております。やはり7対1は、ここのところでも、早急にやる中身じゃないのかなと私は思っております。 次はそういう意味で、いつも共立病院のことばっかり聞くんですが、常磐病院の看護基準はどのように考えているか伺いたいと思います。 ◎病院局長(鈴木正一君) 御案内のとおり、7対1の看護基準につきましては、平成18年4月の診療報酬改定により、目的といたしましては、急性期入院医療を強化するために導入された新たな基準でありますことから、常磐病院につきましては、当該病院の担うべき役回り、そして、入院患者の実態等を勘案すれば、この7対1の看護基準は採用せずに対応してまいりたいと考えてございます。 ◆22番(高橋明子君) 私は、そういうことで進めていくならば、やはり今の体制の中で、看護師さんたちの超過勤務とか、それから夜勤体制とかは、看護師さんたちの状況を十分に聞きながらやっていかなければならないと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後の質問になりますが、やはり、看護師養成そのものを抜本的に強めること、こういう意見が多くあったという中身になっています。いわき市には、磐城共立高等看護学院、松村看護専門学校、そして医師会附属の准看護師養成学校があります。今回、看護師の募集に当たり、関係者の奔走ぶりをお聞きいたしました。看護師がいないと話になりません。看護師養成にさらに力を入れるべきだと思います。いわきの医師会附属のいわき准看護学校は毎年100人募集しております。平均年齢が23から24歳、一度社会経験してから自分の進むべき道を決めた方が多いようです。ところが、学校を卒業した後、通学できる範囲内に高看の資格を取る学校がないため、泣く泣く断念するそうです。ぜひ、磐城共立高等看護学院内に高看育成の定時制・全日制の進学校の導入を考えるべきと思いますがいかがですか。 ◎病院局長(鈴木正一君) いわき准看護学校は、看護職員の養成機関として地域医療のより一層の充実を図る観点から設置されたものと認識しております。市立病院といたしましても、これまで講師の派遣や実習生の受け入れなど、必要な協力を行ってきているところであります。 おただしの准看護師から看護師への進学のための教育機関の併設につきましては、他の養成機関や通信制養成機関における卒業生の動向など、多角的な視点から調査・検討していくべき課題であると認識しております。         ------------------ △延会 ○議長(藁谷利男君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藁谷利男君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。 明日は午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて延会いたします。            午後4時22分 延会            ----------...